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緊縛&札束ボードゲーム記事に公開質問状

コラムサイト 「トゥギャッチ」 で15日に掲載されたコラム「ボードゲームってすごくおもしろいのに、そのおもしろさを伝えるのってめちゃめちゃ難しくない!?」に対し、ボードゲームサークル「まんまる」代表のはただよしたけ氏と、ゲームストア・バネストの中野将之店長が「ボードゲームに対する悪印象を助長する」などとして共同で公開質問状を送った。

当該の記事はフリーライターのヨッピーこと豊田ヨピ夫氏が担当したもので、「ゲームごとにルールが違うのでややこしい」「専門用語が多い」「絵ヅラが地味」というボードゲームの面白さを他人にどう伝えるかがテーマ。コラムニストの犬山紙子氏、ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」オーナーの白坂翔氏と共に『人狼』と『街コロ』を実況している。

問題とされたのは『人狼』で実際に緊縛されるところと、『街コロ」でチップの代わりに本物の紙幣を使ったところ。大人も子供も一緒に遊べるホビーなのに歪曲される印象を与える、ボードゲームカフェが賭博の場所だと誤解される恐れがあるなどとして、認識を糾している。

韓国では高校生も出入りするボードゲームカフェを隠れ蓑に賭博が行われているというケースがある(SBS:고등학생도 드나드는데…도박판 된 보드카페)。また日本の賭博罪は適用が曖昧で(『賭けマージャンはいくらから捕まるのか?』)、それゆえボードゲームカフェも摘発される恐れがゼロではない。緊縛はともかく、ボードゲームで本物のお金を用いるという行為を公表することには危険性が伴う。
公開質問状は現在回答待ちとのことで、進捗があれば報告するという。

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ケララ:象の道(Kerala: Der Weg der Elefanten)

色を揃える象祭り
ケララ:象の道
同じ色のタイルをできるだけつなげるパズルチックなタイル配置ゲーム。今年のオーストリアゲーム大賞に選ばれている。色を揃えるのがだんだん苦しくなっていく中で、ひらめきと先読みで高得点を狙う。ケララはインド南部の州で、ヒンドゥー寺院に装飾した象を集めて女神を讃えるお祭りが開かれる。
各プレイヤー、スタートタイルの上に2頭の象を置いてスタート。袋からプレイヤー人数分のタイルを引いて、順番に1枚ずつ選んで自分のタイルに配置していく。タイルは、象のいるタイルに隣接するところにしか置けない。そして配置したタイルに象を移動する。袋のタイルがなくなったらゲーム終了で、得点の多い人が勝つ。やることはすごくシンプルだ。
タイルに付いている象アイコンと、2色つながった半円形が得点になるが、その前に、タイルの色がつながっているかをチェックする。5色の色別に、連続してつながっているエリアが2つ以上(自分のプレイヤーカラーは3つ以上)あると、1エリアだけ残し、残りのエリアはタイル枚数だけ失点になってしまう。また、全色のタイルがないとそれも失点となる。そのため、全色をもれなく、かつ同じ色同士をうまく揃えて置けるかが勝敗のカギとなる。
タイルはどんどん広がり、象もだんだん離れていくと、色を揃えて置くのが難しくなる。そこでいくつかの救済策がある。
ひとつはパス。ゲーム中に2回まで、要らないタイルを取らないで済む。次はタイルを重ねておけるルール。揃わなかった色は上書きしてしまおう。それからタイル移動と象移動のタイル。タイルを配置したとき発動し、色を揃えやすくなる。しかしパスをすれば1点減るし、上書きされたタイルは得点が消え、移動タイルは得点にならないが、うまく失点を回避できたときは気持ちいい。
5人プレイで40分ほど。各自がタイルを並べているので、インタラクションは中央からどのタイルを選ぶかというところに集約されている。自分にとってどちらを取ってもいいときは、次の人が欲しそうなタイルを取り、困りそうなタイルを残す。「いやいや、そんな意地悪なことしてヘイト値を上げませんよ」「ありがとうございまーす!」 面白かったのはタイル移動で、色が揃う移動の仕方をひらめくと気持ちいい。最後の最後にタイル移動で色を揃えることができた私が1位。
タイルの引きと選択のインタラクション、そして先を見据えた配置と、窮地に陥ったときの打開策。短時間の中に、要素がバランスよくミックスされた作品である。金色になった箱絵のタイトル、インド柄が入った象の木製コマ、厚手のタイルと、コンポーネントも豪華だ。
Kerala: Der Weg der Elefanten
デザイン:K.ヒーゼ、イラスト:C.シュテファン、A.シュテファン/コスモス(2016年)
2~5人用/8歳以上/30分