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チネチッタ1937(Cinecitta1937)

この金額で雇いますか
Cinecitta1937
ローマ郊外の映画撮影所で、スタッフを雇い、収益の高い映画を作るカードゲーム。吉々庵が、英語・中国語版も発売された陣取りトリックテイキングゲーム『上洛』に続いて発表した作品で、独特の値付けシステムが駆け引きを生む。
はじめ初期資金と、監督、俳優、カメラマン、脚本家という能力値がさまざまな役職カードが配られる。この中から1枚を選び、お金とともに封筒に入れて左隣の人に渡す。これは「この役職カードを○金で雇いませんか?」というオファーを表している。全員同時に行うので、右隣の人から同じように別の封筒がやってくる。
封筒を開けて、金額を確認したら、雇うかどうかを決める。雇うときはカードを取り、入っていた金額を入れて返す。雇わないときはお金だけ取って返す。雇われなかったカードは元の持ち主が取る。
こうして受け取ったカードを自分の前に並べ、また次のカードとお金を封筒に入れて左隣の人へ。これを手札がなくなるまで繰り返す。
自分の前のカードは、はじめ「スタジオ」に並べられる。スタジオでは3つの役職を、数字の小さい順に並べるというルールがあり、これが最終的に「映画の完成度」となる。9を3枚取って「999」にするのが最高だが、そうはうまくいかない。
スタジオにあるカードと同じ役職を取ったら、前にあったカードは「オフィス」に移される。ここにあるカードのフィルムマークに、最後の所持金をかけたものが「興行収入」となる。これと「映画の完成度」を足したもので映画の優劣を競う。この二段構えの得点方法が悩ましい。
5人で20分ぐらい。安い役職を引かせておいて後から高い役職を回収したり、高めのお金を取らせておいて支払い能力が上がったところでほしいカードを渡してみたりと、至るところに駆け引きがあり、あちこちで悲鳴が上がる。完成度を上げるのを優先するか、興行収入を優先するかの選択も、状況がどんどん変わっていくので悩ましい。1ゲーム目が終わり、「次はもっとうまくできそう」と続けて2ゲーム目を行ったところ、確かに全体的に成績が良くなった。奥の深さを感じるゲームである。
Cinecitta1937
月並いおり/吉々庵(2016年)
3~5人用/12歳以上/20~30分

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日経新聞でボードゲームカフェ記事

日本経済新聞の5月25日夕刊に、ボードゲームカフェの記事「ボードゲーム 会話に花」が掲載された。JELLY JELLY CAFE(渋谷)、コロコロ堂(根津)などが取り上げられている。
記事はJELLY JELLY CAFEで行われている「ボードゲームナイト」の様子から始まる。参加者にインタビューした後、白坂翔オーナーが「2年ほど前から土日は満席」と語る。コロコロ堂でも、20席ほどの店内に土日は30人ほどが訪れ、平日は学生、土日は家族連れで賑わうという。
そして話題は『枯山水』へ。東日本大震災以降の節電ムードから、SNSで写真が拡散し大ヒットになった経緯をニューゲームズオーダーの吉田氏が説明する。最後は、11,000人が訪れたゲームマーケットで締めくくられている。
記事の中では「初対面の人と楽しく遊べる」「ゲームをしながら世間話をする」「人と人との関わりがゲームの大きな魅力」と、一貫してコミュニケーションの魅力を取り上げており、かつてのようなノスタルジックな論調はない。ボードゲームが新しい若者文化として認知されつつあるのかもしれない。
ボードゲームが遊べるお店一覧では、JELLY JELLY CAFE、コロコロ堂のほか、キウイゲームズ(大阪)、Boardgame cafe & bar Spiel(名古屋)が料金とともに掲載されている。
日本経済新聞:ボードゲーム 会話に花(全文を見るには要会員登録)