オランダゲーム賞2016ノミネート
オランダゲーム賞(Nederlandse Spellenprijs)の審査委員会は、今年で16回目となるノミネート作品を発表した。エキスパート部門とファミリー部門の2部門で各3タイトルがノミネートされた。
大賞は昨年の3月から1年間にリリースされた新作。一般投票による選考を行わず、ノミネートから大賞まで一貫して審査員が決めている。審査員はボードゲームショップ店長、ボードゲームジャーナリスト、ボードゲーム関連団体のメンバーなど9名。大賞は6月に発表され、夏のボードゲーム祭で授賞式が行われる。
例年、オランダ国産品がほとんど入らない賞だが、今年はエキスパート部門に1タイトルだけ、『リールの召使』が入った。昨年はファミリー部門に『宝石の煌き』、エキスパート部門に『コンコルディア』が選ばれている。
【オランダゲーム賞2016ノミネート】
ファミリー部門
ノミネート:アドベンチャーランド(Abenteuerland / W.クラマー&M.キースリング / ハバ)
〃 :コードネーム(Codenames / V.フヴァチル / ホワイトゴブリン)
〃 :クアドロポリス(Quadropolis / F.ガンドン / デイズ・オブ・ワンダー)
エキスパート部門
ノミネート:アルケミスト(De Alchemist / M.コトリー / ザ・ゲームマスター)
〃 :リールの召使(Haspelknecht / T.スピッツァー / クワインドゲームズ)
〃 :マルコポーロの旅路(In de voetsporen van Marco Polo / D.タシーニ&S.ルチアーニ作/ 999ゲームズ)
・Nederlandse Spellenprijs:Verkiezing familie 2016
・Nederlandse Spellenprijs:Verkiezing expert 2016
パプア・ニューギニア(Papua New Guinea)
みんなで復唱、みんなで爆笑
上の句と下の句をつなげて、楽しい組み合わせを作るカードゲーム。ゲームマーケット2016春で発表された。カードに書かれている言葉のセンスが巧みで、笑うまいと思っていてもつい腹筋に来る。
上の句が書かれたカードと、下の句が書かれたカードが配られ、場には下の句が書かれたカードが並べられる。親から順に、上の句との組み合わせを考えて、手札と場札を交換できる。交換が終わったら順番に発表タイム。
ポイントは、全員が復唱しなければならないというルール。手番の人が上の句を言ったらそれを復唱し、下の句を言ったらそれも復唱する。これで全員がこのゲームのノリに巻き込まれていく。
「釈迦は」「釈迦は!」「くどいんじゃ!」「くどいんじゃ!」「・・・あー確かに同じこと何度も説法してますもんね」「パパは」「パパは!」「20cm!」「20cm!」「・・・どこが20cmなんでしょう?」
得点は、全員の投票で一番面白い人、それから星マークのあるカードを出した人に与えられる。3回行って合計の一番多い人が勝ち。
上の句が補充できないので、だんだんカードの選択肢が少なくなっていくのが、かえって狙ってもいない笑いを生み出す。内容で攻める方法と、言葉の響きで攻める方法があるのもよい。カードの交換ルールは、そのカードが後に使われる意外性を生み出している。5人プレイで15分ほど。最初はどこが面白いのかと思っていた人も、次第にカードの組み合わせの妙に笑いを禁じ得なかった。
パプア・ニューギニア
宇賀神雅史/ΦGames(2016年)
2~5人用/8歳以上/5~10分