バベル(Babel)
高さの異なる壁でアンバランスな塔を積み上げていく協力ゲーム。ゲームマーケット2016秋に初出展のこぐま工房から発売された。中には裏切者がおり、崩れるように仕向けているかもしれない。
作者曰く、『キャプテンリノ』と『お邪魔者』をかけ合わせたゲームということでイメージしやすいかたもいるだろう。はじめに「人格カード」が1枚ずつ配られ、ひそかに「建設者」と「狂信者(裏切者)」に分かれる。
手番になったら、手持ちの床カードを1枚出して、ほかのプレイヤーの協力を仰ぐ。ほかのプレイヤーも、いろいろコメントしながら床カードを出す。そのコメントを見て、誰かの床カードを取り、2枚1組で床にする。
床カードには、その床の上に建てる壁の高さが指定されており、その壁を置かなければならない。2つの壁が同じ高さならいいが、高さが異なるとバランスを取るのが難しくなる。「お前、狂信者じゃないの?」「いえいえ、手札がたまたまないだけですよ」
こうして8段の塔を崩さず作り、無事に天井カードを乗せることができたら建設者の勝利。崩れたら狂信者の勝利(ただし狂信者が自分の番で崩したら負け)。途中で狂信者は正体を明かすことで、それ以降手番が飛ばされるが完成する段数を1つ上げることができる。
5人プレイで15分ほど。karokuさんが途中で狂信者を明かして1段アップ。非常に厳しい事態に。ほとんど絶望的な状態だったのを察したのか、もう一人の狂信者だったふうかさんが正体を明かさず私にスルーパス。最終段のタスクは私に回ってきた。『キャプテンリノ』よりも紙が薄く、しかも壁に窓がきちんと空いているため、エアコンの風でゆらぐようなもろさ。繊細な作業だったが何とか天井カードまで乗せることができて建設者チームの勝利。
どうやって立っているか不思議なくらいのアンバランスなバベルの塔。繊細なペーパークラフトの出来栄えが、繊細なプレイ感を生み出しているゲームとして注目される。
Babel
たきざわまさかず/こぐま工房(2016年)
1~5人用/10歳以上/15~30分
試験管に薬剤を並べよう!『ドクターエウレカ』日本語版発売
テンデイズゲームズは本日、フランスのリアルタイムパズルゲーム『ドクターエウレカ(Dr. Eureka)』日本語版を発売した。デザイン・R.フラガ、イラスト・S.エスカパ、2~4人用、6歳以上、15分、3600円(税別)。
ブルーオレンジゲームズ(フランス)から2015年に発売された作品。輸入版が国内流通していたが、人気が高まり日本語版の発売となった。デザイナーは『スカッドセブン』や『ダンシングエッグ』など、リアルタイムゲームで定評のあるフラガ。
各自、3色2個ずつのボールを取り、試験管の中に色ごとに入れてスタート。カードがめくられたら、一斉にカードに描かれた通りになるように試験管の中のボールを入れ替えていく。ボールに直接触れることはできず、試験管をもち、別の試験管に移していかなければならない。これを繰り返し、一番早くカードの通りに並べ替えることができたプレイヤーがカードを獲得し、獲得したカードの枚数で勝敗を決める。
ボールの移動順を考える『ハノイの塔』のようなパズル要素と、ボールを試験官から落とさないようにするアクション要素の両方が試され、実験というテーマとあいまって楽しめる。全員同時にプレイする焦りの中、冷静に丁寧に迅速に、ボールを揃えることができるだろうか。
・テンデイズゲームズ:ドクターエウレカ日本語版