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宗教改革500周年ゲームコンテスト、優秀作に『宗教改革者たち』

聖書を題材にしたボードゲーム「聖書コレクションシリーズ」を出版するキリスト新聞社は14日、宗教改革500周年ゲームコンテスト結果を発表した。応募作18作品の中から、砂漠のキタキツネ氏の『宗教改革者たち』が優秀作に選ばれた。ルール調整やグラフィックデザインなどを行い、2017年10月31日(宗教改革記念日)に、『ルターの宗教大改革』(仮題)として発売される予定。
このコンテストは今年、宗教改革500周年を迎えるのに合わせて開催されたもの。審査員には「聖書コレクションシリーズ」監修をしている牧師・三輪地塩氏、「キリスト新聞」編集長の松谷信司氏、ブロガーのmoonこと橋谷利幸氏、ゲームデザイナーの中村誠氏の四氏があたり、応募は本物の牧師、教会、研究者、大学のゼミなど、幅広い層からバラエティに富む作品が寄せられた。
その中から優秀作に選ばれた『宗教改革者たち』は、ルターやツヴィングリなどの「改革者」たちが、「聖書の翻訳」「説教」などを通じて信者らの支持を得、「異端」との誹りをかわしながら、それぞれの手法で「宗教改革」を遂行していくゲーム。環状に並べられたアクションスペースを周回して、協力者コマを配置していくワーカープレイスメントである。
宗教改革運動の歴史を描写しつつ、「マニアの期待にも応え得る骨太なガチゲーとしてのポテンシャルを持っています」(松谷氏)、「さまざまな行動を勝利点で表すことで、さまざまな勝ち筋を示し、「if(架空)の宗教改革」を介在させる余地を持たせています」(中村氏)とゲームシステムも高く評価された。また、カトリックとプロテスタントの分裂を生み出した宗教改革だが、現代において「ある一方を糾弾するようなことがなく、ここに高い理性を感じ取りました」(三輪氏)だったという。
プロテスタントが多いドイツでは昨年から、宗教改革500周年を記念するボードゲームが何点かリリースされている。このうちツォッホ社の『めんざいふ(Mea Culpa)』はユーモラスな作品で、日本語ルール付きで入手可能。本作が10月に製品化されたら遊び比べてみてはいかが。
聖書コレクション

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ドイツ年間ゲーム大賞2017ノミネート

ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日、3部門についてノミネート作品と推薦リストを発表した。赤いポーンの年間ゲーム大賞、青いポーンの年間キッズゲーム大賞、灰色のポーンの年間エキスパートゲーム大賞の3部門について各3タイトル、合計9タイトルがノミネートされた。ノミネート作品の中から、赤と灰色のポーンは7月17日にベルリンで、青いポーンは6月19日にハンブルクで大賞を決定する。
メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、フランスのタイル配置ゲーム『キングドミノ』と、ベルギーのリアルタイム協力ゲーム『マジックメイズ』、ドイツのデッキ構築ゲーム『エルドラドへの競走』の3タイトル。30分以内で終わる短時間ゲームが並んだ。推薦リストには日本のゲーム『タイムボム』のリメイクなど、バラエティ豊かな5タイトルが選ばれている。
エキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートには、ドイツの謎解きゲームシリーズ『脱出:ザ・ゲーム』、ニュージーランドのバイキングゲーム『北海の略奪者』、スウェーデンの火星開拓ゲーム『テラフォーミング・マーズ』が選ばれた。エキスパートへの入門と位置づけられている賞で、プレイ時間は45~90分の作品が並んでいる。推薦リストには、日本語版も出ている『大いなる狂気の書』など4タイトルが入った。
審査員長のT.フェルバー氏はコメントで、協力型の謎解き脱出ゲームが今年の重要なトレンドという見方を示し、これまでに3タイトル発売されシリーズ化している『脱出:ザ・ゲーム』はいずれも優れているため、3タイトルまとめてノミネートすることになったという。またカテゴリーについては、ある程度の経験が必要としてエキスパートゲーム大賞でのノミネートとなっている。
キッズゲーム大賞(青)には、ドイツの海賊手探りゲーム『キャプテンシルバー』、ドイツのペンギンおはじきゲーム『アイスクール』、フランスの記憶力探険ゲーム『ミステリアスな森』がノミネートされた。3部門で合計27タイトル、「子どもでも男性でも女性でも、推薦リストから少なくとも1つは自分に『合った』ゲームが見つけられるよう」できるだけ多様なゲームを選ぶようにしているという。
3部門にノミネートされた9タイトルのうち、現在のところ日本語版が発売されているのは『キングドミノ』(テンデイズゲームズ)、『マジックメイズ』(ヘムズユニバーサルゲームズ)、『アイスクール』(ホビージャパン)の3タイトル。発売が予定されているのは『脱出:ザ・ゲーム』(グループSNE)、『テラフォーミング・マーズ』(アークライト)の2タイトル。日本の出版社も多様な状況だ。
【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
キングドミノ
(Kingdomino / B.カタラ / ペガサスシュピーレ)
マジックメイズ
(Magic Maze / K.ラップ / シットダウン!)
エルドラドへの競走
(Wettlauf nach El Dorado / R.クニツィア / ラベンスバーガー)
推薦リスト:デジャブ、ドデリド、ファーベルザフト(Fabelsaft)、クラスク(Klask)、シフタゴ(Shiftago)、恐怖の古代寺院(Tempel des Schreckens)、ワードスラム(Word Slam)
【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
脱出:ザ・ゲーム
(Exit: Das Spiel / I.ブラント&M.ブラント / コスモス)
北海の略奪者
(Räuber der Nordsee / S.フィリップス / シュヴェアクラフト出版)
テラフォーミング・マーズ
(Terraforming Mars / J.フリクセリウス / シュヴェアクラフト出版)
推薦リスト:大いなる狂気の書、キャプテンソナー(Captain Sonar)、グレート・ウェスタントレイル、ル・ポイル(Les Poilus)
【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
キャプテンシルバー
(Captain Silver / W.ディシャール&M.ラインドル / クイーンゲームズ)
アイスクール
(Ice Cool / B.ゴメス / アミーゴ)
ミステリアスな森
(Der Mysteriöse Wald / C.ロッシ / フッフ&フレンズ)
推薦リスト:チキブーン、腹ぺこヒナの成長物語、しずくのオバケ(Glupschgeister)、転がる魔女(Kullerhexe)、スリーピング・クイーン(Sleeping Queens)、キツネだまし(Verfuxt!)、魔法学校の3人(Zauberei hoch drei)
Spiel des Jahres e.V.:Die Nominierten 2017 stehen fest