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『クランズ・オブ・カレドニア』日本語版、2月下旬発売

テンデイズゲームズは2月下旬、『クランズ・オブ・カレドニア(Clans of Caledonia)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.アイジュジュ、イラスト・K.フランツ、1~4人用、12歳以上、プレイヤー人数×30分、8000円(税別)。
オリジナルはベルリン在住のゲームデザイナー・アイジュジュ氏の自費出版レーベル「カルマゲームズ」からキックスターターを経て2017年に発売された作品。キックスターターでは6400人が39万ユーロ(5100万円)を出資した。昨年のエッセン・シュピールの人気投票では『テラミスティカ:ガイア・プロジェクト』と並んで同率1位になり、注目されている作品である。
舞台は19世紀のスコットランド。プレイヤーは氏族の長となり、家畜を育て、チーズやウイスキーを作り、市場で売買を行ってさまざまな輸出契約を達成させ、自分の氏族をより繁栄させることを目指す。
手番には8つのアクションから1つを行い、お金がなくなった人からパスしていく。その後で資源を獲得・加工・販売を行い、勝利点を得る。9つの氏族と、4枚×両面のモジュラーボード、9つの得点タイルで毎回さまざまな展開になる。
『テラミスティカ』の影響を受けたとされるシステムは、陣取り、氏族ごとの特殊能力、アクションの強化など、さまざまな要素が組み合わされており、戦略性が高い。その一方、契約タイルはランダム性が高く、市場の値動きに合わせたマネージメントも必要で、戦術面の楽しさもある。ゲーマーズゲームの粋を味わえる作品だ。
テンデイズゲームズ:クランズ・オブ・カレドニア

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ブードゥープリンス(Voodoo Prince)

あと1トリックで寸止め
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トリックテイキングゲームは大好物で、ゲーム棚にはトリックテイキングコーナーもある。しかし傑作が多くて、新作の入り込む余地があまりないというのが実感。その中でクニツィア作ということで気になって遊んでみた。
親のプレイヤーが1枚手札を出して、時計回りにほかのプレイヤーも1枚ずつ手札を出す。同じ色をもっていればそれを出さなければならず、もっていなければほかの色を出してもよい。数字の一番大きい人が全員のカード(トリック)をもらうが、その中に切り札の色が入っていれば切り札を出した人がもらう。オーソドックスなマストフォローのトリックテイキングである(5と7でリードしてトリックを取ると2トリック分になるとか、同色の15と0が出ていると0が勝つとか一味加えられているところもある)。
『ウィザード』系のように、獲得トリック数を予想することはない。このゲームでは1人3トリックで終わる。獲得トリック数が予め決められているものとしては『ウィリー』(ハンス・イム・グリュック、1999年)があるが、獲得したトリックが得点になるのではない。3トリック取ったらゲームから抜けて、その時点でほかのプレイヤーが取っているトリック数が得点になるというのがこのゲームの特徴だ。
そのため、3トリック取らないように我慢して、できるだけ後まで残ることを目指す。しかし最後に残った人は、自分が獲得したトリックしか得点にできないというルールがあり、一番得点が高いのは最後から2番目に抜けた場合ということになる。
クニツィアらしいと思うところだが、できるだけトリックを取らないようにしていると、最後まで取れないで終わってしまうし、かといって欲張って集めるとあっという間に脱落というジレンマ。ほかのプレイヤーの獲得トリック数をよく観察して、1~2トリックを取って、いつでも抜けられるように態勢を整えておかなくてはならない。このお互い睨み合う感じがたまらなく楽しい。
最後から2番目はリスクが高いので、3番目で抜けるように心がけた。そんなにうまくいくはずはないと思ったが、ほかの人がうまく潰し合ってくれて達成でき1位。最初から2トリックいきなり取ってしまったときの焦りとか、逆に最後の3人ぐらいになったときのスリルとか、トリックテイキングの興奮を存分に味わえる作品である。あとおどろおどろしい感じの絵柄も素敵である。
Voodoo Prince
ゲームデザイン・R.クニツィア/イラスト・S.ベーム
2~5人用/8歳以上/20分