苦しい終盤の攻防
隣の人が要求する条件でカードを出して、最後まで生き残ることを目指すゲーム。『7人のマフィア(日本語版は七人の探偵)』に続くゼメとドライハーゼンのカードゲームで、小気味よいテンポで、フラフープ長回しの楽しさが味わえる。
各自、自分の前に5枚、手札に5枚、合計10枚のカードでスタート。自分の番にはこの中から1枚出して、次の人に高い方か低い方を指示する。次の人は、高い方だったらそのカードの数字以上のもの、低い方だったら数字以下のものを出し、また高い方か低い方を指示する。こうして出せなくなった人は脱落し、残った1人が勝つ。
数字は1~13(人数によって調整あり)。当然のことながら、高い数字を出せばそれよりも高い方を指示し、低い数字を出せば低い数字を指示して、次の人を出しにくくする。相手の前に並んでいない数字ならばなおよい。
このようにして手札が少なくなるほど、どんどんピンチになっていく中で、どれくらい粘れるかというゲームだが、2つのひねりが加えられている。ひとつは、前の人と同じカードを出すと1枚補充できること。そこからはその数字縛りになり、誰かがジョーカーか、1つ違いの数字を出すまでは解除されなくなる。自分の選択肢を増やしつつ、ほかのプレイヤーを脱落させる逆転手段だ。
もうひとつは、カードをすべて出し切ること。最後の1枚は通る確率が低いが、見事通ればサドンデス勝利となる。こちらは滅多に起こらない分、達成できたら嬉しい。
最後に1人生き残るか、まれに手札を使い切ったらラウンド終了で、そこまでみんなが出したカードが得点。合計77点以上で勝利となる。
何にでも出せるが数字は7に戻るジョーカーが結構あり、何とかなることもあるが、それでも手札が減った終盤はお互いに苦しい。「上!」「あるよ! さらに上!」「ジョーカー! 7より上!」「よしあった! さらに上!」「……脱落~!」まるでフラフープでほとんど回っていないのに頑張って腰を振っているみたいな感じがした。
Hula-Hoo!
ゲームデザイン・J.ゼメ/イラスト・M.ガラニン
夕日のドライハーゼン(2021)
2~6人用/8歳以上/10~20分
ゲームストア・バネスト:フラフープ