『斬―サムライソード―(Samurai Sword)』

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家康が浪人?

将軍と侍、忍者、浪人の3勢力が正体の分からぬまま戦うイタリアのカードゲーム。今月、ホビージャパンから日本語版が発売されたばかりだ。リメイク元の西部劇カードゲーム『バン!』とは、テーマだけでなくルールも変更されている。

はじめに配られるのは身分カードと武人カード。身分カードには侍、忍者、浪人のいずれかが書いてあり、将軍以外、最後まで公開しない(『バン!』では、脱落したときに公開されるが、『斬』ではそもそも脱落しない)。武人カードは家康、五右衛門、武藏、半蔵などおなじみのキャラクターで、ライフと特殊能力がそれぞれ異なる。身分カードと武人カードの組み合わせはランダムなので、家康が浪人になったり、五右衛門が将軍になったりすることも。始まる前から会話が盛り上がるのは、日本をテーマにしたゲームの良さである。

斬‐サムライソード‐

手番には、カードを補充してから、好きなだけプレイして誰かを攻撃したり、自分の戦力を上げたりする。武器カードには間合いと攻撃力が書かれており、間合いとは、何人となりまで攻撃できるか示すもので、例えば「1」なら両どなりのいずれか、「2」なら2人となりまで。相手が「捌き」というカードで防御しない限り、攻撃力分だけライフを減らせる。

誰に攻撃したらよいかは、勝利条件に関わる重要な要素。敵陣を全て倒して生き残ることを目指す『バン!』とは違い、『斬』は名誉点を奪い合う。基本的には忍者(=無法者)が将軍(=保安官)を狙い、侍(=保安官助手)は将軍を狙う者(たぶん忍者)を攻撃する。浪人(=裏切り者)は1人しかいないので、どちらかの味方をしているように見せかけて振る舞う。この方針は変わらない。しかし名誉点は身分によって算出方法が違うので、場合によって仲間内で戦って名誉点を融通することも必要だ。例えば4人プレイの忍者は2人おり、そのうち1人は手持ちの名誉点チップが2倍になるので、そちらに集めたほうがよい。
※ホビージャパンのエラッタで、最初に配る身分カードが侍と浪人で逆になっていたのは、『バン!』がそうだったからだと思われる。『バン!』では必ず裏切り者(=浪人)が登場するが、『斬』では3~4人プレイで浪人が登場しない(2陣営で戦う)。これも勝利点を奪い合うという方式のために変更になったルールである。

変更という点では、カードをめくってマークが一致したときに攻撃成功という手の込んだカードが『バン!』にはあったが、『斬』の攻撃はいたってシンプルである。防御カードを奪ったり、ライフを奪ったりするカードが多く、ライフ回復のカード(ビール)がないこともあり、ゲーム展開が早い。

相手から名誉点を奪うのは、攻撃して相手の最後のライフをなくしたときである。しかしリタイヤはしない。再び手番が来たときに、ライフを満タンに回復してゲームを続行する。脱落しないのは改良点だと思う。誰かの名誉点チップがなくなったらゲーム終了。身分を明らかにし、陣営ごとに名誉点を合計して多いほうが勝ち。

私は侍の武藏。初手で将軍の秀吉に殴りかかったことで、忍者だったほかの2人が私を仲間だと思わせることに成功した。しかしそのことがばれて返り討ちに合っただけでなく、味方の将軍にも手打ちにされる始末。武蔵は攻撃力が高くて警戒されたことも響いた。結局、私の名誉点がなくなってゲーム終了となったが、その分将軍の鴉さんが頑張って将軍チームの勝利。4人プレイで浪人がいなかったので、5人以上で疑心暗鬼を楽しんでみたいところである。

Samurai Sword
E.スキアラ/dVジョーキ(2012年)-ホビージャパン(2013年)
3~7歳以上/8歳以上/20~40分

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