トリテの達人
毎回みんなが出したルールでトリックテイキングを競うカードゲーム。奇才フリーゼがデザインしたゲームで、期待に違わぬ楽しさが詰まっていた。
15枚×4スートのプレイカードと一緒に入っているのは、同じ枚数(60枚)のルールカード。基本ルールに関するもの、切り札に関するもの、得点方法に関するものの3種類に大別されるが、同じルールは1つとしてない。プレイカードがとられた後で、手札を見てこのラウンドのルールカード(3択)を各自1枚ずつ出す。全員が出したルールは全て有効。
どんなルールがあるかというと……「2番目に強いカードが勝つ」「最後の3枚はプレイしない」「はじめに3枚をとなりの人に渡す」「プラス点はマイナス点、マイナス点はプラス点に変更」など。これらが重なるわけだから、単に取ったらいい悪いでなく、同じトリック中に取るべきものと取ってはいけないものが入り、難しい戦局を迫られることになる。
3人の場合は、全員が1枚ずつ出すほかにランダムにルールカードを1枚加える。これが空気をよく読んでいて、針の穴に意図を通すような厳しい戦いになった。「得点が最下位の人は2倍」と「黄色いスートは1枚−1点」とで、神尾さんのマイナス点が2倍になってしまったのがウケた。
ルールを変えるトリックテイクはどれも面白いものだが、変わり方が激しくてもう笑うしかない。これを乗り切れればまさにマスターだ。
Stich-Meister
F.フリーゼ/アミーゴ(2010年)
3〜5人用/10歳以上/45分
メビウスゲームズより近日発売予定