4派閥のサバイバル
ニュージーランドを舞台にキウイ、オポッサム、マオリ族、イギリス人が対戦する非対称ゲーム。フランスの出版社から2023年に発売され、今年3月に発売されたドイツ語版がドイツ年間エキスパートゲーム大賞で推薦リストに選ばれた。今時珍しい植民地テーマで、BGGでは批判が寄せられている(制作者は敬意と配慮を払い、植民地化が人々と生態系に与えた破壊的影響を描きたかったと述べている)。
4人でプレイする場合、キウイ、オポッサム、マオリ族、イギリス人をプレイする。キウイは最初から島中におり、森林伐採によって減少していく。オポッサムは外来種で最初は少数だが繁殖力が強い。マオリ族は島を転々として家を建て、イギリス人は前半は木を切り、後半はオポッサムを狩る。それぞれできるアクションも得点条件も異なるが、人間が圧倒的に有利であるため、動物同士が協力したり、人間同士が争ったりすることになる。
アクションは3枚の手札から2枚を組み合わせ、1枚をアクション、もう1枚を優先順位に使う。一斉にオープンして、優先順位でアクションを行う。アクションには、ゲーム中1回だけ使える強力なアクションもある。
- キウイ:生き残った数が勝利点。最初は島中にいるが繁殖力が弱く、木が伐採されると死ぬので、木を増やし、津波や火山で追手をかわして安全地帯に逃げ込む。
- オポッサム:生き残った数が勝利点。最初は少ししかいないが繁殖力が強い。移動力・繁殖力を上げ、疫病を起こして人間を遠ざける。
- マオリ族:狩ったキウイとオポッサムに加え、建設した建物や神殿が勝利点。1人しかいないので、移動力を上げて島中を巡り、イギリス人と条約を結んで都市に進出する。
- イギリス人:前半は伐採した樹木、後半は狩ったオポッサムが勝利点。道路を作って一気に伐採し、毒をまいてオポッサムを一気に狩る。2人まで登場する。
現実を反映してか、人間のアクションが強くて動物の勝ち目は薄いように見える(経験者によれば、作戦によって十分勝てるみたいだが)。それぞれの派閥の作戦を考えていくと奥が深い。
Kauri
ゲームデザイン:C.クロンノー、イラスト:J.フルーリー
デバクル・ジュ(2023年)
2~4人用/10歳以上/40~60分