果樹のダブルレイヤーパズル

果樹タイルをつなげて配置して収穫するヘックスパズルゲーム。ローゼンベルクの作品で、キックスターターで製品化された。予定では10月のエッセン・シュピールより前に完成するはずだったが、製造が遅れた上に、ロシアの軍事侵攻の影響(国境の一時封鎖)もあり、エッセン・シュピールが初出。そのためキックスターター出資者の意向を尋ねるメールが出された。
ローゼンベルクのタイル配置ゲームは『パッチワーク』(2014)のようなポリオミノ系と、『ノヴァルナ』(2019)のような相互参照系があるが、ヘックス系は『アップルジャック』(2022)ぐらいしかなく珍しい。しかも本作は(最近流行りの)ダブルレイヤーパズルになり、複雑さを増したにも関わらず、何を目指すかが明確になっているためすっきりしたプレイ時間となっている。
ダブルレイヤーというのは、1枚のタイルに果物と樹木が別々になっていいることで、果物をつなげて収穫を増やし、樹木をつなげてタスクを達成する。
手番には果物を支払って場のタイル2枚を取り、自分の前につなげて配置する。そして自分の収穫タイルを配置し、果物を収穫する。同じ種類の樹木で指定されたパターンを作るなど、タスクを達成するたびに果物の上限が上がって終了条件のハードルが下がり、規定の種類で規定数以上の果物を集めたら勝利となる。
このゲームのよいところは、場のタイルを取った時点で次のプレイヤーの手番なので、どこに配置して、どの収穫タイルを置いて、どの果物を収穫するか、次の手番までじっくり考えられることだ。つまり(長考しすぎない限り)ダウンタイムがない。だいたい収穫まで終わったところで、もう次の手番が来る。
達成するべきタスクは9枚あり、ゲームごとに組み合わせを変えられるが全員共通。全部達成しなくても終了条件を満たせるので、終盤は残りのタスク達成を頑張るか、収穫に力を入れるかが悩ましい。
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ゲームデザイン:U.ローゼンベルク/イラスト:R.クチャルスキ
スケリッヒゲームズ(2025年)
1~4人用/8歳以上/30~60分
