アスモデグループをスウェーデンの持株会社が買収へ

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コンピュータゲーム持株会社のエンブレイサーグループ(スウェーデン)は15日、ボードゲーム出版大手のアスモデグループ(本社フランス)の独占買収交渉を開始したことを発表した。提示額は27億5千万ユーロ(3500億円)で、現在のオーナーであるPAIパートナーズ(フランス)が3年前に購入した額12億ユーロの2倍以上となっている。

アスモデグループは1995年設立され、2007年頃から国際展開をスタート。2013年に投資会社ユーラゼオ社が1億4300万ユーロで買収し、豊富な資金を背景に翌年にはデイズオブワンダー社(フランス)とファンタジーフライト社(アメリカ)を吸収合併。2015年には『カタン』と『ドブル』の版権を取得し、名だたる出版社を次々と傘下に収めてきた。

2018年にユーラゼオ社からPAIパートナーズが12億ユーロで購入。相次ぐ合併と国際展開によって購入額は5年間で8倍以上、8年前と比べると20倍近くまで膨らんだことになる。そして今年、PAIパートナーズは20億ユーロで売却先を探していたが、エンブレイサーグループが予定額を大幅に上回る27億5千万ユーロを提示した。

このような高額化の背景には、コロナ禍のステイホームでの世界中のボードゲーム需要が高まっているということがある。アスモデグループは現在22社を傘下に収め、上海、香港、台湾、韓国にも支社がある。今季の総売上高は11億ユーロ(1400億円)、営業利益は2億600万ユーロ(270億円)と発表されている。

買収によってアスモデグループの経営体制は変わらないというが、ボードゲームのPC・モバイル版を制作する子会社アスモデ・デジタルの設立、そしてオンラインボードゲームサイト「ボードゲームアリーナ」の買収もあり、エンブレイサーグループ傘下でデジタル化が加速する可能性もある。

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