モルゲンランド(Morgenland)

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入札型ワーカープレイスメント
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今なお続いているキーシリーズ(差最新作は『キーフラワー』)の第2作目『キーダム』(1998年)のリメイクで、ワーカープレイスメントの元となった作品のひとつ(当時は「ワーカープレイスメント」という概念はなかったが)。ハンス・イム・グリュック社がテーマを中世ファンタジーに変えて2000年に発売した。

ゲームボードは下からドラゴンの巣穴、街、宮殿と3つに分かれており、それぞれいくつかのマスに分かれている。これらのマスに各プレイヤーは順番に数字チップを裏にして置いていき、全員が置き終わったところで表にして、数字の多い人からそこで獲得できる財宝やアクションを取り合う。ほかの人が置いているマスに置くこともでき、数字は合計されるので、ワーカープレイスメントというよりは、入札型オークションである。

ドラゴンの巣穴では財宝が手に入り、街では特殊能力のある魔法カードを手に入れたり、財宝を交換したり、スタートプレイヤーを取ったりして、最後に宮殿でその財宝を支払ってアーティファクトを手に入れる。宮殿の入口には番人がおり、毎ラウンドランダムに出てくる数字以上のチップを置いていなければ、財宝を支払うか、アーティファクトの効果で素通りするか、あるいは宮殿に入ることを諦めなければならない。

財宝が獲得できるかどうか、どんなアクションができるか、どの財宝を支払ってアーティファクトを手に入れるか、蓋を開けてみなければ分からない。その中で計画の成否を分けるのは、どこかで思い通りにならなくてもリカバーできるリスクヘッジ能力と、ほかのプレイヤーの欲しそうなものを見抜いて裏をかく先読み、そしてどこからチップを置くかという駆け引きの巧さだ。これらがうまく噛み合って、狙い通りにうまくアーティファクトを手に入れられたときはとても気持ちがいい(狙い通りでなくても、棚からぼたもちみたいなこともあって、それはそれで嬉しい)。

チップを裏にして置く上に、張り合っても漁夫の利を取られるだけなので直接攻撃になりにくく、魔法カードのサプライズもある(自分以外の全員がチップを表にして置かなければならない「公然の秘密」など、ゲームがガラリと変わって面白い)。今もなお魅力を失わない作品である。

Morgenland
ゲームデザイン・R.ブリーズ/イラスト・D.マテウス
ハンス・イム・グリュック(2000年)
3~5人用/10歳以上/60~90分

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