博打の裏にもしたたかな計算
闇商売の店をリムジンが回る。自分のリムジンが一番儲かる店に止まることを目指すゲーム。タイトルは「大儲けする」という意味のドイツ語。ドイツのdlpゲームズが、クラウドファンディングで製品化した。出資者には拡張セットが付いている。
お店を環状に並べ、それぞれリムジンを置き、各自が好きなカード(リムジンに対応している)を取ってスタート。自分の番にできることは、手札を1枚表向きに出して、その色のリムジンを進めるか、裏向きに出してカードを交換するか。どの色のリムジンでも進められるところがポイント。
全員が4枚ずつカードを出したらラウンド終了となり、自分のカードに対応するリムジンが止まっているマスの収入を得る。店は時計回りにだんだん高くなっていくが、みんなが狙って競争率が高まるうえに、最高値の先は最低値なのでリスクが高dい。
リムジンは店を時計回りに1マスずつ進む。前のマスに別のリムジンが止まっていれば、上に乗って「ダブルデッカー」となる。ダブルデッカーの下にいるリムジンが進めば、上のリムジンも一緒に移動できる。また、そのままラウンド終了となれば、ダブルデッカーの下にいるリムジンには収入がない。だから下にならないようにコントロールしなければならないし、下になってしまったら上のリムジンを進めてリカバーするか、カード交換しなければならない。
カード交換は有効な手立てだが、儲けが大きそうなリムジンは先に誰かが取ってしまう。だからといって初手からカード交換するとダブルデッカーの下になったり、先に飛ばされて儲けが激減したりしてしまう。なかなか悩ましい。最後の1枚で交換することは禁じられており、最後の1周で大どんでん返しが起こることも。
4人プレイで30分ほど。1周する間に状況がどんどん変わってしまうため、運の要素が大きいかと思ったが始めて見ると考えることが多かった。リムジンの位置によって上に乗られやすいか、安全に進みやすいかという有利不利があり、またせっかく絶好の位置にいたのに自分の最後の1枚で墓穴を掘ってしまうこともある。いろいろな事態を想定しながら、ほどほどの確率で先を予想してカードを選ぶのが面白い。
序盤に大儲けしたcarlさんを追いかける展開。ほかのみんなでcarlさんのリムジンを追い落とそうとするが、自分の儲けのこともあるため叩ききれない。棚からぼたもちで一気に追い上げたがわずか及ばなかった。自分のリムジンが最高位にいるときの最後の1周は、とてもドキドキする。
なお、ゲームには5人以上で遊べるルールが付いているが、カードを順番にめくっていって、どのリムジンが一番儲けられそうか考え、そのカードを素早く取るというパズルチックなゲームである。
Scheffeln
R.シュトックハウゼン/dlpゲームズ(2014年)
2~8人用(通常ルールは2~4人用)/10歳以上/20分
ゲームストア・バネスト:シェッフェルン