ほしいフルーツを収穫できた喜び
カードを一斉に出して場札からお望みのフルーツを集めていくカードゲーム。オーソドックスなバッティングゲームだが、集めているカードが狙い通り手に入るかで盛り上がる。作者はこの作品が初のオランダ人。
登場するフルーツはサクランボ、バナナ、洋ナシ、ブドウ、オレンジ、パイナップルの6種類。場札としてそれぞれ樹の下にフルーツカードが並べられる。
手札から1枚ずつ選んで出し一斉に公開し、場札を取って出したカードを補充するという流れ。場札から取る順番は、出したカードによって決まる。まずは「はしご」を出した人から。どの樹の下からでも取ってよいが、ほかの人とバッティングしたら場札は取れず、そのハシゴを自分で取らなければならない。ハシゴは最後に、持っている数の二乗だけ得点。2,3枚では旨味がなく、集めるならたくさん集めたいところだ。
次は「ジョーカー」。これもどの樹の下からでも取ってよく、ほかの人とバッティングしたら自分で引き取る。ジョーカーがほしくて、あえてバッティングさせに行く作戦もあるだろう。
そしてフルーツを出した人が、種類別にその樹の下からカードを取る。種類がほかの人とバッティングしたら数字の大きい順。場札がしょぼいカードだったら、数字の大きい人にまず取ってもらい、その後その人が置いたカードを取るのがお得。でもそんな『ニムト』で7番目になるような作戦はなかなかうまくいかない。
最後は「バスケット」を出した人。「はしご」「ジョーカー」と同様、どの樹の下からでも取ってよくて、ほかの人とバッティングしたら自分で引き取る。残り物に福あり。高得点の「バスケット」が手に入ったら嬉しい。
このように、場札から1枚取って、そこに出したカードを置くという流れなので、獲得できるカード枚数は全員変わらない。問題はその組み合わせである。手札がなくなったところで得点計算。カードの数字、はしごカードの枚数の二乗、果物全種類ボーナス、同じ果物ボーナスを合計して記録。これを3ラウンド繰り返して合計点を競う。
6人で30分ほど。第1ラウンドは手札にハシゴが多かったので、バッティング狙いでハシゴを集めた。しかし人数が多いため4枚16点がやっと。そこで2ラウンド目からはフルーツを狙いに行ったが、最初のカードを除き、手札と同じ種類のフルーツしか手に入らないことに気づく。そのため組み合わせボーナスを得るべく、ジョーカーを取りに行ったが、ジョーカー自体は0点であるため、あまり点数が伸びなかった。バッティングなんて運任せかと思ったが、それぞれ何を集めているか分かってくると狙いが読めてきて、その裏をかいたり漁夫の利が起こったりとドラマチックな展開が楽しめた。
Cherry Picking
J.ギーネン/ツォッホ出版(2014年)
2-6人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズ:サクランボ狩り