すれ違いざまの攻防
今回、くさのまさんと30年ほど前のアブストラクトゲームをいくつか続けて遊んだが、その中で一番だったのがこのゲームである。細長い道を、バックギャモンのようにすれ違って、相手より早くゴールに着くゲーム。1979年、第1回目のドイツ年間ゲーム大賞で美術賞を獲得した。
スタートラインにファラオと神官を並べてスタート。ファラオは八方向に1マスずつ、神官は斜め2マスか桂馬(ナイト)飛びができる。相手のコマのいるマスに入るとコマを取ることができ、取られたコマは逆さまになって自分のスタートラインからスタートする。
そのほかに死神の船というタイルがあり、これを敷いたコマは取られなくなる。しかし敷くのも外すのも1手番かかり、一度敷いても移動するたびに外れてしまうし、布石のために置いても単独では取られてしまうので、無敵ではない。
自分のコマを1つ、ゴール(相手のスタートライン)まで進め、かつそのときに取られなかったら勝ち。1つというところがポイントで、途中までは陣営を固めていくが、相手とすれ違った瞬間、単独で一気に駆け上がる。
くさのまさんと対戦。膠着するかに見えたが、くさのまさんが死神の船タイルをうまく使って着実に攻めてくる。私があちら立てればこちら立たずになるという、絶妙な配置だった。2戦2敗。
コマの数が基本ゲームで3個、発展ゲームで5個しかないため、一手でも気を抜くことができない。すごく頭を使ったが、タイルの取り外しがゲームを深くしていて面白かった。
Seti
A.シュタイナー、H.ヴィット/ビューテホルン(1979年)
2人用/8歳以上/30分
絶版・入手難