トントン拍子には集まらない
同じ種類の家畜タイルを集めて得点を競うゲーム。寡作だが堅実な作品を作り続けているS.ドーラがハンス社から発表するのは『メディナ』以来9年ぶりということで期待していたが、相変わらずプレイヤーの快楽ポイントを見事に押さえたよいゲームだった。
ゲームは4ラウンドあって、毎ラウンドボードに動物を裏にして並べる。手番には好きなところをめくって、気に入ったら自分のコマを置き、イマイチだったらパス。自分のコマを置き終わった人から順番タイルを取って抜ける。めくり運と、ほかの人が集めている動物を見ながらの駆け引きの両方が楽しめる。
さて、全員がコマを置き終わったら動物を全部めくって、順番タイルの若い順に動物を取っていく。1つのコマで取れるのは、そのコマから一方向にある動物のみで、しかもほかのコマが置かれている手前まで。先に抜けたほうが優先して動物を取れるが、後から置かれたコマで邪魔されるかもしれない。ところが後で抜けると自分が取る番にはあらかた取りつくされてしまっている。たくさん取ることよりも、狙って取ることが大切なようだ。
ラウンドの最後に、同じ動物が4枚揃っていたら得点にできる。まだ揃っていない動物は次のラウンドに持ち越せるが、そのためにはエサをあげなければならない。エサタイルを取っておくか、動物を何枚か手放してエサを確保する。
また動物を裏にして並べて次のラウンド。動物は各種枚数に限りがあるから、よく考えて残す動物を決めたい。4ラウンドの後、揃わなかった動物を4枚1組にして、一番低い動物の得点をもらう。あとなぜか、ブタは4枚揃えると得点が2倍になる。
5人でプレイ。盤面は広いように見えて狭く、抜けるのが遅れると1枚ぐらいしか取れなかった。くさのまさんが速攻で置くが、微妙に安いところなので皆が近寄らない。得点の低いタイルをかき集めたくさのまさんがトップ目で迎えた最終ラウンド。エサを温存して4枚目のブタに賭けた私が運よく見つけて逆転勝利。
余談ながら4枚1組で得点にしたり、次ラウンドに持ち越すエサを調達するのに動物を手放すのは、売ってお金にするという設定である。でも、ついつい「じゃあ食べまーす」「これは全部肉にします」とか言ってしまう。中国ではロバ肉を食べるらしいし。レッツ・ポーク!
ほしい動物をめくれるかどうか、自分がコマを置いた列が残るかどうか、運と駆け引きが相俟った、エキサイティングなゲームである。ドーラ大好き。
Schweinebande
S.ドラ/ハンス・イム・グリュック(2010年)
2〜5人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズから発売予定(店長ブログ:ブタなかま)