近年、ドイツゲーム賞を受賞しているような難易度高め・所要時間長めのゲームを、日本語でネガティブなニュアンスがないようにするには何と呼んだらよいだろうか。
「長時間ゲーム」というと、世の中には5,6時間やそれ以上かかるものもざらにあるから、2,3時間くらいでは短いという人もいる。 また、内容は易しいのに収束性が悪くて長引くゲームもなくはない。所要時間だけで、ゲームを分類することはできない。
日本ボードゲーム大賞の部門名で採用されていたのは「フリークゲーム」。範囲はだいたい合っているものの、英語のfreakが「○○狂」と訳されるように、若干ネガティブなニュアンスが含まれる。
ドイツ語では「要求の多いゲーム(Anspruchsvolles Spiel)」と呼ばれている。手番の選択肢ややることが多く、その分だけ時間がかかり、戦略性も高いという意味だ。ゲーム賞では、オーストリアゲーム大賞で「エキスパートのためのゲーム(Spiele für Experten)」、国際ゲーマーズ賞やゲーム100選で「戦略ゲーム(Strategy Game)」という言葉がある。
『ドイツゲームでしょう!』では極力ニュートラルな表現を心がけて「重量級ゲーム」と呼んだ。重いゲームが好みの人もいれば、そうでない人もいるから、ニュートラルな表現が望ましい。だが、あまり一般的ではない。
みなさんはどんな呼び方をしていますか? どう呼んだらよいと思いますか?
仲間からは、次のような表現が提案された。「ゲーマーズゲーム」は「ゲーマー」=コアな愛好者という理解が必要だが、実際使われている言葉ではある。
・ゲーマーズゲーム
・ヘビーゲーム
・手続きの多いゲーム
・本格ゲーム
また「重量級ゲーム」というと、実重量だと誤解される恐れがあるという指摘も寄せられた。『ピッチカー』など、実重量はあるが難しいゲームではない。
それと、ネガティブなイメージにはコアな愛好者への蔑みがあるというわけではなく、これを押し出すことで、ゲーム慣れしていない人がうっかり手を出さないで済む利点もあるという指摘もあった。『アグリコラ』では、求めているゲーム内容よりも難しくてミスマッチも多かったと思うが、もっとフリークゲームであることを方々で強調していれば、ミスマッチが減らせたかもしれない。