ルールを最小限に記述することが前回の結論だったが、ドイツの雑誌ではどうなっているのかSpielbox誌のレビュー(評論)構成を調べてみた。
- 1.レビュータイトル
- ゲーム名は小さく、その下に大文字でキャッチコピーを入れる。ゲームの内容が凝縮されていて、ゲーム名よりもイメージが湧く。
- 2.概要
- ドイツゲームのルールブックにはたいてい最初に数行、概要説明がある。ストーリー、プレイヤーの役割、そして目的。それにほぼ同じ。盛り上げるためテンション高めのことも。
- 3.詳細な説明
- コンポーネントの描写から始まり、手番にできること、終了条件、勝利条件。順序はルールブックで、枚数や点数など細かいことまで書いてあるが、その途中途中にそれによって引き起こされる悩ましい事態やちょっとした戦略がちりばめられている。また小見出しを入れて分かりやすくもしている。
- 4.評論
- イラストの出来、コマの色、ルールの分かりやすさなどにコメントした上で、プレイ感や面白いポイントを述べる。特徴的なのは、同じ作者の他のゲームや、同じタイプのゲームに言及して比較する点。
- 5.データ
- タイトル、メーカー、デザイナー、イラストレーター、人数、年令、時間、ルール記載言語、値段、そして複数の評者による10段階評価。
あとは写真豊富なのが特徴。ゲーム中の写真だけでなく、箱絵の切り抜きもでかでかと使っている。
2ページ使うがほとんどで、字数はかなり多い。しかし絵や写真も大きく(しかもオールカラー)、また簡単に知りたい人には数行の概要が冒頭にあるので煩瑣な感じはしない。ゲームメーカーの広告が四分の一ページ入ることもある。
もちろんこれは経験豊富なドイツ人フリークを対象にした雑誌の評論なので、経験の浅い人も読めるレビューに直接応用できないこともあるが、骨子は同じになるのではないだろうか。
数えてみたらSpielboxは1冊に18本のレビュー、26ページ。64ページある雑誌の3分の1以上を占める。ドイツ語を読まなくてもフルカラーで眺めていて楽しい。郵便局から5,000円ぐらいの海外送金で年間購入(6冊)可。