あと1枚、カタパルトでお願いします
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(63 B.C.-14 A.D.)は、軍団を用いて属州と元老院を支配することを命じた。配下である7つの軍団を元老と属州に派遣して征服・懐柔し、功績を上げて執政官になることを目指すゲーム。イタリア人デザイナーP.モリ(『ヴァスコ・ダ・ガマ』『リベルタリア』)がスイスのハリケーン社から発表した作品で、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。セットコレクションをライトにまとめ上げ、短時間で遊べるようにしてある。
各自、目的カードを3枚自分の前に並べてスタート。手番には袋から1枚、チップを引く。そこには6種類(+ワイルド)の絵柄が描かれており、目的カードにある同じマークのマスに軍団コマを置く。「よし、きたきた」「全然揃わない」1人が引いたチップで、全員が置くのでとってもスピーディーだ。
目的カードにはいくつかのマスがあって、全部埋まるとその目的は達成されたことになる。誰かが7枚達成したらゲーム終了で、目的カードやボーナスの合計が一番多い人が勝ち。最後の1マスがなかなか揃わないとか、ビンゴゲームのような乗り。
3枚の目的カードを同時進行するので、効率よく達成していくには、目的カードの選択と、軍団コマを置くマスの選択が重要となる。どのカードも同じようなマスの構成だと軍団コマを置きにくく、軍団コマを分散させるとどれも達成できないままになってしまう。ノリはビンゴだが、ひそかに考えるところはある。
目的カードを達成すると、すぐほかのカードに軍団コマを移したり、マークの互換ができるようになったり、ゲーム終了時にボーナスが入ったりする。ほかの全員が軍団コマを取り除かせたり、達成した目的カードを捨てさせたりといった攻撃的なものもあり、ゲームを有利に進められるだろう。
目的カードのほかに、タイルのボーナスもある。目的カードの達成枚数によって手に入るもの、属州を定められた数だけ先に平定すると入るもの、小麦と黄金の目的カードが一番多い人がもつもの。特に目的カードの達成枚数によって手に入るものは、1回しかもらえないため、何枚達成した時点でもらうか悩ましい。
こうしたボーナスを、同じ方向で集めることにより、1枚で2度美味しい状態にもっていくとよい。ほかのプレイヤーと競合しないように集めていこう。
4人プレイ。私は安いカードをどんどん達成してボーナスを集めていく作戦。神尾さんが攻撃を仕掛けてきたが、安いカードが多いので手痛くない。結局、達成枚数のボーナスの高得点を何とか獲得できて1位。コンボを狙っていたサガエさんは、攻撃でコンボを崩してしまい得点が伸び悩んだ。ゲーム中、「戦車! 戦車!」「たーて! たーて!」など、次に引いてほしいチップのコールが相次いで盛り上がる。
『ローマ人の物語』などを読んでいると、目的カード1枚1枚に属州の名前や人名が描いてあるので興味が非常に喚起されるだろう。
Augustus
P.モリ/ハリケーン(2013年)
2~6人用/8歳以上/30分
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