踏んだり蹴られたり
テーマに惹かれ、遊ばせてもらって気に入り、購入に至った作品。以前はこのパターンが結構多かったが、残念ながら購入したのに結局遊ぶ機会に恵まれない。そのため今では「遊んだゲームは買わない」というモットーになっているのだが、たまにその原則を崩す作品に出会えることがある。遊んだ上で購入まで至った『カリマンボー』は、最近のオススメ作品といえる。価格の安さ、木製のコンポーネント、7人まで遊べる人数の広さ、運と戦略のバランスのよさと、申し分ない要素が揃っている。ドイツ年間ゲーム大(2012年)賞推薦作品。
新種の動物カリくん(霊長類らしい)を発見して、友人となって一緒にジャングルを歩く探検家たち。しかしカリくんには親友のマンボーくん(サイ)がいた。探検家たちは、実は彼らのフットボールの練習台として連れてこられていたのだ。ゾウのウンコがあちこちに落ちている道を必死で逃げる探検家たちを、サイが追いかける。コミカルなイラストとは裏腹に、結構ホラーな設定だ。
カリくんと探検家とサイの列を作ってスタート。全員(カリくんも)、数字カードを1枚ずつ一斉に出し、数字の大きい順に列の先頭に移動する。このとき前に落ちていたウンコを踏んだら失点。ベチャッ!
ウンコを踏まなくてもまだ安心できない。最後尾が先頭に移動すると、一番後ろにいるサイが突進してくる。その前にいた人は背中をどつかれて失点。しかも、サイが遠くから来るほどダメージが大きい。ドカーン! カリくんがどつかれたときは、身代わりとなって数字の一番小さかった人が失点する。
カードを使い切ったときに、失点の合計が一番少ない人が勝つ。
どのあたりの数字を出せば何番目に移動でき、失点しなくて済むのかある程度は予測できる。しかしカリくんが出すカードはランダムな上に、ほかの人と数字がかぶると進めないことがあって事故多発。なぜか同じ人ばかり失点を食らってしまう展開も笑う。『ニムト』とプレイ感覚は似ているが、ウンコ踏んでキタネー!とか、サイにどつかれてイッテー!とか、失点に実感がわくのがいい。失点なしで勝てたらカッコイイが、出すカードが全部裏目に出て大量失点というのも、別の意味でヒーローである。
Kalimambo
A.スクリットーレ/ツォッホ出版(2011年)
3~7人用/8歳以上/20~30分