クリエイティブなお絵描きゲーム
ゲームマーケット大阪まで半月を切り、新作の国産・同人ゲーム情報が出てきた。ゲームマーケットでは毎回、たくさんの国産・同人ゲームが販売されており、その多くが小部数の限定販売のため、これを目当てに参加する人も少なくない。
『ぽんこつペイント』は、昨年春のゲームマーケットで販売されたお絵描きゲームだ。人気投票では票数こそ少なかったものの、高い評価を得ている。私の周囲では、近年稀に見る傑作として頻繁に遊ばれている。一般発売してほしいくらいだ。お絵描きゲームの多くは、画力や絵心が勝敗につながらないよう工夫されているが、このゲームは特に、画力よりも工夫がものをいう。
親以外が同梱されているお題を見て、砂時計が落ちるまでに絵を描く。そのときのシンプルにしてクレバーなルールが、直線と円(楕円は不可)しか描いてはいけないというもの。丸みを帯びたものほど描くのが難しく、意欲がわいてくる。
描き終わったら、画数を数えて、少ない人から親に見せる。当ててもらえたら+2点、外れたら親ともども−1点で次の人(ローカルルール)。画数をできるだけ抑えて、直感的に分かってもらえるぎりぎりのラインを探らなければならない。
写真の絵は何か分かるだろうか。結局このお題は最後まで親が当てられなかった(答えは「続きを見る」からどうぞ)。
昨年の夏、かゆかゆさんが描いていたのを思い出し、ボードのフレームを使って構図を工夫してみたところ、少ない画数で当ててもらえて1位。フレームはそれ自体で0画の長方形。これを利用しない手はない。
構図の工夫、無駄なものをどこまで削れるかという見極め、直線と円の組み合わせ方など、豊かな発想力が求められるクリエイティブなゲームである。ほかの人の絵でも、見事に描き表されていると拍手を送りたくなる(だからといって、親が当てられるとは限らないが)。
Ponkotsu Paint
ちかすず(近場の鈴木さん)作/ぽんこつファーム(2011年)
4人〜/10〜30分
作者のホームページ
写真の答え:納豆