プエルトバナナ(Puerto Banana)

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どこまで上げるかのチキンレース

好きなだけ大きい数字が書ける入札ゲーム。独シュピールボックス誌で評者3人ながら平均8.3点(10点満点)と高得点をマークし、昨年の10傑に入ったことから個人輸入して遊んだ。

中央のバナナ箱タイルに、現時点で最も多く持っているプレイヤーのバナナ本数と同じ数(第1ラウンドは「10」)を記入してスタート。各自、自分の船タイルに入札する値を記入する。「0」でもよく、上限はない。全員が書いたら一斉に船タイルをオープンし、単独で最高額のプレイヤーがいたら、バナナ箱のバナナを獲得した後、次点プレイヤーとの入札額差分を、次点のプレイヤー(複数いれば端数切捨てで山分け)に支払う。

写真では132本のバナナが競りにかけられ、「569」を入札したプレイヤーが落札し、次点「530」との差分である39本を支払うことになる。

入札額が大きすぎて次点との差分が開き、支払えなければ落札できなかったことになり、手持ちのバナナが0になってしまう。そうなると2位のプレイヤーの入札額が最高額になり、そのプレイヤーも次点との差分を支払えなければ同様に繰り下げられる。まれに最高額のプレイヤーが複数いたら、バナナを端数切捨てで山分けし、次点との差分の支払いはない。

落札と支払いに合わせて船タイルのバナナ本数を変更して、次のラウンドへ。誰かの手持ちが200本(事前に変更可)になったらゲーム終了で、最も多い人が勝ちとなる。ルールはこれだけで、コンポーネントもタイルとペンしか入っておらず、紙ペンで遊べるレベルだ。

好きなだけ大きい数字を書けるというと『Q.E.』がすぐ思い浮かぶが、あちらは落札額の合計最多が脱落するという歯止めはあるものの、非公開であるためにインフレが半端ない。一方こちらは「次点との差分だけ支払う」というルールが効いていて、インフレするにはするものの、歯止めがかかっている。

競り落とせる入札額は、前のラウンドの落札額を参考にするが、抜きん出るには思い切った増額が必要となる。しかし増額しすぎれば最悪バースト、そうでなくても次点のほうが得をしてしまう。次回の相場はどれくらいになるのかという空気の読み合いと、どこまで上げられるかのチキンレースにヒリヒリするエキサイティングなオークションゲームだ。

ゲームデザイン:マッズ・エミル・クリステンセン、イラスト:サイモン・ドゥッキー
ブルーオレンジゲームズ(2024)
2~6人用/8歳以上/15~20分
(国内未発売・日本語版情報未確認)

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