チョコっと捧げらとる
昨年『カーソンシティ』で好評を博したオランダのメーカー、クワインドゲームズは、オリジナルとしては初めてドイツ人デザイナーを起用した。変態ゲームでコアなファンをもつG.ブルクハルトである。ドイツでの販売はフッフ&フレンズが受け持ち、本格的にドイツに売り込むかまえだ。タイトルはチョコレートの語源となったアステカ人の言葉。
今月ようやく発売となった『チョコラトル』は、アステカ王国でカカオを神々に捧げ、その恩恵を得て、勝利点を集めるゲームである。独特の入札システムを用いて、オリジナリティの高いゲームにしている。
全員がもつカカオカードは各13枚で、0〜12の数字がついている。まずこのうち1枚を裏にして神殿に捧げる。このカードは勝利点になるが、何とゲーム終了までもう使えない。これで残り12枚のカード構成が人によってちょっとずつ変わる。
収穫ダイス、ボーナスダイスを振ってボード上に配置したらいよいよビッド開始。6つのエリアに2枚ずつカードを出して、各エリアで数字の合計が多い人が恩恵を得る。エリアは�@同点タイで勝つチョコラトル神、�Aダイスの分だけ得点できる収穫、�Bビッドを恒久的に上げる小屋、�C最多ボーナスがあるピラミッド、�D大量得点になるカカオ飲料、�E数字の大きいカカオカードに交換できるトラチトリ(アステカのスポーツ)。中にはビッドが一番低い人にペナルティがあるエリアもあって、どこを重点的にビッドするか悩ましい。
ビッドの仕方は3種類あり、1位のプレイヤーの得点マーカーがあるマスによって変わる。エリア1から順番に2枚ずつビッドするもの、全エリアに一挙ににビッドするもの、各エリアに1枚ずつビッドし、オープンしてもう1枚ずつビッドするものがある。変化に富んだビッド方式が楽しい。
ラウンドが終わったらカードを回収して繰り返す。基本的に7ラウンドで終了。
プレイ時間は45分と短めの設定で、することはビッドとオープンの繰り返しだけである。各エリアの処理もボードにアイコンで示されているからわかりやすい。でもバッティングを避け、どこに力をつぎ込むかを考えるのは奥が深い。チョコレートを食べながら遊んでみるのはいかが。
Chocolatl
G.ブルクハルト/クワインドゲームズ(2010年)
3〜5人用/8歳以上/45分
・ホビージャパン:チョコラトル
・Quined Games:Chocolatl