アップダウン(Auf & Ab)
ガラリと形勢逆転
上下数字の違うカードを出して、一番先に手札をなくすカードゲーム。アメリカ人デザイナーの作品をドイツのメーカーが出版したものだが、地味なデザインのためかあまり話題になっていない(でもupを逆さまにするとdn(ダウン)になるなど、実は秀逸なデザインだ)。あまり期待しないで出してみたところ、意外に面白くてつい何ラウンドも遊んでしまった。
カードはそれぞれ、0〜9で赤の数字と青の数字がある。はじめは赤の数字で「アップ」ラウンドから。手札から同じ数字のカードを1枚以上出し、次の人は前の人と同じ枚数で数字の大きいカードを出す。同じ数字が揃っているほど有利なのは大貧民のような感じ。
カードの中には、赤と青の数字が同じダブルカードがある。これはその数字のカード1枚分としても2枚分としても使える貴重な存在。そして5枚だけあるチェンジカードが出ると、次からは手札を逆さにして「ダウン」ラウンドになる。同じ数字のカードが全く揃っていなくて途方にくれていたところ、手札を逆さまにするとあら不思議。青の数字は妙に揃っていることも。
同様に「ダウン」ラウンド中にまたチェンジカードが出ると、再び「アップ」ラウンドに戻る。赤の数字はさっき揃っていたのに、青の数字を出している間に崩れてしまうことも。こうしてゲーム中にカードを上にしたり下にしたりして、構成ががらりと変わるところが面白い。
手札をなくして上がった時点で、ほかの人の手札枚数が得点になるので、皆に出させないようなカードを出して、ずっと俺のターンのまま終われるのが理想。だが、だんだん揃っているカードが少なくなって息切れしてくるもので、終盤で主導権を取れるかがポイントになる。枚数が少なくなると、ラウンドチェンジしたほうが有利かどうかも考えなければならない。
ダブルカードに恵まれなかったが、ほかの人にある程度出させておいて、息切れしたところでたたみ込むというやり方で2回勝利。でも合計得点でkarokuさんに一歩及ばなかった。逆さまにしたとたんに内容がガラリと変わるのが新鮮で、延々と遊んでしまった。
Auf & Ab
E.ペッグ/フランヨス(2003年)
3〜4人用/8歳以上/20分
海外でのみ発売中・和訳ルール公開中
自宅ゲーム会
年の暮れも押し迫り、何となく慌ただしくなりつつある12月中旬、ふうかさんとkarokuさんに新幹線でご来訪頂き、2泊3日でボードゲームを遊んだ。家事や仕事をはさんだため、ずっと遊んでいたわけではないが、新作から未訳まで合計13タイトルを楽しむことができた。朝食、ゲーム、昼食、ゲーム、おやつ、ゲーム、夕食、ゲームと、ゲームが終わるたびに食い三昧。おかげさまでリフレッシュでき、年末年始の仕事に打ち込むことができそうだ。
遊んだゲームと第一印象は次の通り。後日、順次レビューしていく予定。
・ルナ(Luna)
7つの島に手下を移動してアクションを行い、中央にある神殿で名声を上げる「ワーカームーブメント」ゲーム。アクションしたいところに手下がいないのがもどかしく、先の先を考えて移動しておけるかがカギ。内容に比してプレイ感は重くない。
・メルカトル(Merkator)
ヨーロッパ中を回って商品を集め、契約カードで指定された都市に届けるセットコレクション&ピックデリバリーゲーム。難易度の高い契約をめざすが、複数の契約があり、誰も行かない都市では商品がどんどん貯まるので、ついでに寄り道したくなってしまう。ワクワクする。
・1655:教皇選出(1655 – Habemus Papam)
入札で枢機卿や国王のカードを手に入れ、教皇になるための票数を稼ぐオークションゲーム。お金を集めて票を買うとか、お友達同士を仲間にして票を水増しするとか、テーマはブラック。勝ち筋がいろいろあるが、どのカードを取っても何とかなるので軽く遊べた。
・ディスカバー・インディア(Discover India)
インドを旅行してチップを集め、同じ種類がつながるようにボードに配置するセットコレクションゲーム。実際の写真が使われており、名所は現地の文字での地名とドイツ語の説明が書いてあって、2年間インドに住んでいた私には超ツボ。また行きたくなった。
・ハゲワシは舞いおりた(Unter Geiern)
カードをめくって食料が出たらガツガツ食べるカードゲーム。獲物が大きいほど食べるのに手番数がかかり、食べている間にほかのハゲワシがやってくると決闘が起こる。決闘はカードをめくるチキンレースになっていて潔い。獲物がなかなか見つからなくてがっかり。
・ホットポテト(Hot Potatoes)
熱いじゃがいもをやけどしないようにほかの人に押し付けあうクニツィアのダイスゲーム。温度計が上昇するにつれて緊張感が高まる。片手だけ熱さを回避できる手袋もすぐほかの人に取られてしまって安心できない。短時間でスリル満点。
・シャビリンス(Chabyrinth)
カードをずらしたり回転したりして、ネコを家に帰すライトな『ラビリンス』。プレイ感は変わらず、制限時間を設けたほうがよいのではないかと思うくらい、すごく頭を使う。でも意外と岡目八目だったりして。
・アップ&ダウン(Auf & Ab)
上下数字の違うカードで行う大貧民系のカードゲーム。あるカードが出ると上下ひっくり返し、まったく情勢が変わるのが新鮮。終盤はほかの人に手番を渡さないで出しきれるかがポイントで、上下の数字を見ながら作戦を練る。すごく面白い。
・ヒツジ飼い(Schafe Scheuchen)
ダイスでヒツジを移動して草タイルを集めるキッズゲーム。近くにいる羊を強制移動させる牧羊犬の使い方がポイントで、これを利用して自分のヒツジを美味しい草の上に入れたり、ほかの人のヒツジを追い出したりと、大人プレイを楽しんだ。
・ヴィニョス(Vinhos)
ポルトガルでワインを栽培し、販売したり輸出したり品評会に出展したりして名声を高めるマネージメントゲーム。要素が非常に多く、しかも資金はカツカツで優先順位をつけるのが難しい。これだけ要素があるのに、最後の得点方法は3通りしかないデザインが斬新。
・捧げ物(Offrandes)
競りで人物の能力を上げて神様に動物を捧げるオークションゲーム。一度に2枚の人物カードが競りにかけられるので、手番プレイヤーはどの人物を競り落したいか、あるいは競り落とさせるかを考えて選ばなければならない。トップの独走をいかにして止めるかがポイント。
・銀行強盗(Banküberfall)
お金や人物カードを積みこんで強盗の分け前をせしめるクニツィアのブラフゲーム。大金を独り占めしようという思惑が重なりあって、結局誰も手に入れられなかったりするが、ビビってはいけない。強盗でカードがめくられたときの意外な結果に笑う。
・ネズミはうち(Maus im Haus)
親がカードを見て出したヒントに合うネズミを探す記憶ゲーム。ネズミは白か茶色しかないし、アイテムはカップとグラスと机しかないのに、ネズミのポーズがたくさんあって紛らわしい。
・ふうかのボードゲーム日記:おのさん宅お泊りゲーム会0日目&1日目
・ふうかのボードゲーム日記:おのさん宅お泊りゲーム会2日目