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5本のキュウリ(Fünf Gurken)

どんどん手札が苦しく
五本のキュウリ
最後のトリックを取らないですむよう、低いカードを手札に残していくトリックテイクゲーム。20世紀後半に北欧で考案されたものらしいが、作者は分かっていない。これを今年F.フリーゼが自身のブランドから発売した。
7枚のカードが配られ、7回のトリック(順番に1枚ずつ出して、数字の一番大きい人が総取り)を行う。スートは一色しかないが、「一番大きい数字以上か、手札の一番小さい数字」という出し方のルールがある。一番大きい数字を出した人(同じ数字なら後の人)が総取りして、次のトリックを始める。
6回目までは、取っても取らなくても関係ない。大事なのは7回目だけである。このトリックを取った人は、ペナルティーとして、自分が出したカードについている本数のキュウリを受け取らなければならないのだ。負けないためには、最後の1枚をいかに低い数字にできるかがポイントである。低い数字をできるだけ出さないようにして、どんどん手札が苦しくなっていく。
受け取ったキュウリが累積で5本以上になった人は脱落。こうして負け抜けで、最後の1人になるまで続ける。
手札に高い数字と低い数字の両方があれば、高い数字のカードを出すことで低い数字を最後まで温存しておける。中途半端な数字だと、どんどん低い数字を狩られてしまい、最後は結構高いカードが残ってしまうだろう。
しかし手札の運だけではないことは、しばらくプレイすると分かってくる。手札を見て、大きい数字が出せるのにあえて低い数字を出すことで、高い数字を後半に温存しておくという戦略がある。そして皆が苦しくなってきたところで、大きい数字を出してみんなから低い数字を狩る。そうすればそこそこ低い数字でも負けは回避できるだろう(一番高くなければよいだけである)。
6人プレイで30分ほど。3人脱落したところで、無傷だった圭子さんの勝利としたが、人数が減るとどんどんスピーディになるので脱落してもあまり待たなかった。簡単に遊べて奥の深さもあるゲーム。フリーゼの目の付けどころは鋭い。
Fünf Gurken
作者不詳/2Fシュピーレ(2013年)
2~6人用/8歳以上/25分
テンデイズゲームズ:5本のキュウリ

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『ヘイムスクリングラ』一般発売

遊星からのフリーキックは11月中旬から、ヴァイキングたちが領地の発展を目指すカードゲーム『ヘイムスクリングラ』を一般発売した。デザイン・寺島由人、イラスト・森木ノ子、2~4人用、90分、4725円。
今秋のゲームマーケットで発売された国産の戦略ゲームで、当サイトの新作評価アンケートでは7位に入った。タイトルは北欧の伝説集から取られている。
ワーカープレイスメントで資源の獲得と遠征を行い、勝利点を競う。ゲーム開始時に各プレイヤーが多種多様なカードを使って自分のデッキを作るところが特徴で、カードの種類は100種類以上。ランダムに配る、カードドラフトを行う、好きなカードを選んで構築するなど、作り方によって違った遊び方ができるようになっている。
カードの種類にはコモンとレアの2種類があり、コモンカードはこの基本セットに全部入っているが、レアカードは箱によって入っているカードが異なるという、TCG的な要素を加えた。基本セット単体でも遊ぶことが可能だが、別売りのブースターパックを加えることで、カードの種類を増やすこともできる。森木ノ子氏による和みのイラストも注目だ。
遊星からのフリーキック:ヘイムスクリングラ