島の完熟バナナ(Reif für die Insel)
痺れるクニツィアオークション
エッセン・シュピールの会場でちょっと遊んでみて気に入り、遊んだ人がこぞって買ってしまったクニツィアのオークションゲーム。絵柄も、お猿さんのバナナ集めというテーマも、(もっといえばツォッホらしくないコンポーネントも)イカしておらず、ツォッホ社の新作リストにも載っていなかった作品に意表を突かれた。
袋から人数分のバナナチップを引いて並べ、スタートプレイヤーから好きなバナナのところにおサルカードを置いていく。他のプレイヤーが置いたところに置くには、より数値の高いカードでなければならず、前においていたプレイヤーは追い出されて、同じところにさらに高いカードを置くか、他の場所にカードを置く。こうして競合が解決したら各自バナナをゲット。『アメンラー』で見られた固定配置オークション/ところてん競りである。
バナナには第1シーズンから得点にできる茶バナナ、第2シーズンから得点にできる黄バナナ、第3シーズンで初めて得点にできる緑バナナ、取ったら減点の腐れバナナがあり、さらに同じ色のバナナをかっさらってしまうオウムがついてくることもある。バナナの価値があまり変わらなければ平和なオークションになるが、オウムや腐れバナナが登場すると一気に白熱する。
おサルカードは「0」以外使い切りで、最後まで残せば数値分得点になるところがポイント。できるだけ「0」で乗り切りたいところだが、オークションが白熱して相場がどんどん上がっていくと、虎の子を手放さざるを得ない。「5」のバナナを「7」のおサルカードで競り落としたらマイナス2点だが、マイナス8点の腐れバナナを取るよりもマシなのである。
袋から雷雲が出てきたら、その回は封印入札(一斉出し)オークションに変わる(同値の場合はスタートプレイヤーに近いほうから選べる)。一発勝負で一気に決まるこのオークションが、ゲームにほどよい変化を与えている。
全員が5つのバナナを取ったらシーズン終了で、まだ熟れていないバナナは次シーズンへ持ち越し。得点にする前にオウムに食べられてしまうかもしれない。3シーズンで得点にできたバナナの合計で勝敗を決める。
ところてん競りか一斉出しかの変化だけでなく、出てくるバナナの組み合わせによってもオークションのムードは大きく変わる。1ビッドごとに痺れまくれる。
Reif für die Insel
ゲームデザイン:R.クニツィア/イラスト:F.ヴェルムケ
ツォッホ出版(2023年)
3~6人用/8歳以上/45分
『ぬくみ温泉繁盛記:拡張・経営支援』11月下旬発売
ホビーベース/イエローサブマリンは11月下旬、『ぬくみ温泉繁盛記:拡張・経営支援』を発売する。ゲームデザイン&イラスト:工藤さんのゲーム、1~4人用、12歳以上、20~60分、1980円(税込)。 プレイするには『ぬくみ温泉繁盛記』基本セットが必要。
温泉旅館を作るワーカープレイスメントゲームに、個人製作版の拡張セット『開業支援』『増築支援』を合体し、さらに新規の「全体方針」などを加えた拡張セット。5つのモジュールから選んでゲームを拡張できる。
5つのモジュールは、序盤に資源が支給される「開業支援カード」、、新規の「全体方針カード」毎ラウンドランダムに加わる「アクションカード」、新規の「職人カード」、「増築施設タイル」。さらにイエローサブマリン購入特典として助っ人カード4枚がプレゼントされる(なくなり次第終了)。
内容物:カード 71枚(63mm×88mm)、タイル 25枚、ゲームサマリ 4枚、フレーバーテキスト/ゲーム説明書