Posted in ら行 

ロイヤルグッズ(Royal Goods)

資源を加工して、さらにまた加工して

建物を作り、資源を加工し、それを売ってより高い建物を作っていく拡大再生産系のカードゲーム。『ポートロイヤル』のA.プフィスターの作品で、1枚のカードが建物にも、資源にも、加工品にもなる一枚三役の作品だ。
はじめ各プレイヤーがもっているのは、炭鉱1つと石炭7つに、労働者が1人。石炭は1つ1金の価値があるので、7金が使えることになる。
新たな石炭を算出するには、カードに指示された資源が必要となる。この資源は毎ラウンド、山札を何枚かめくって出現する。太陽のマークがあるカードが2枚出たらめくるのをやめるため、資源がいくつ出るかは分からない。
めくられた資源を見て、どの建物を動かし、どれだけ製品を作り、いくら収入がありそうかを考えて、このラウンドで建設予定の建物を手札から出す。そうしたらもう一度、山札から資源をめくる。見込み違いだった分は手札から支払えばOK。
炭鉱は例えば麦2つと木1つで石炭1つを作る。1つ作ることができれば、追加でもう1つ資源を出してもう1つ作ることもできる(生産チェーン)。こうして生産されたものを支払って、建設予定だった建物を作るのだ。
建物はそれだけで最後の得点になるが、より高価な製品を作ることができるようになる。風車は麦2つと塩2つで小麦粉1つ(2金)を、パン屋は麦2つと塩3つでパン1つ(4金)を作る。こうしてより高い建物を作れるようになっていく。
ほかにも特定の資源を常時増やしたり、手札を増やしたりする建物もある。また、建物の組み合わせによって助手が雇えるようになり、複数の建物を同時に動かせるようにもなる。こうして成長を競い、誰かが8軒目の建物を建てたらもう1ラウンド行い、建物と助手の得点の合計が最も多い人が勝ち。
3人で30分ほど。1ゲーム目はガラス工房でコンスタントにガラスを生産した鴉さん、2ゲーム目は資源を生み出す建物を集め、やはりガラス工房でcarlさんの勝利。ガラス工房に対抗すべく、加工品をさらに加工する建物を作ってみたが生産まで行きつかなかった。
インタラクションは薄めだが、時間が短いのに遊びごたえがあり、建物の種類も豊富なので繰り返し遊びたくなる作品である。2版で運の要素を減らすルール改訂が行われたのでそのルールでまた遊んでみたい。
Oh My Goods!
A.プフィスター/オーストリアボードゲーム博物館(2015年)
2~4人用/10歳以上/30分
テンデイズゲームズ:ロイヤルグッズ
[第2版のルール改訂](参考
・フェイズ1で手札の全交換ができる
・フェイズ4で建設できなかった建物は手札に戻す
・フェイズ4で建物の建設と助手の雇用はどちらかだけできる
・最終ラウンドでは、労働者や助手を置いていない建物でも生産チェーンを使える
・市場係で1枚もらえるのは手札が3枚以下の場合のみ

Posted in 国内ニュース

日本科学未来館リニューアル、巨大ボードゲーム展示

東京・お台場の日本科学未来館は4月20日から常設展をリニューアルオープンする。新たな6つの展示の中で、ドロッセルマイヤーズの渡辺範明氏がゲームデザインした新展示「未来逆算思考」が始まる。
「未来逆算思考」は、50年後の人たちにどんな地球を贈ることができるのか、ゲーム形式でアクティブに体験するという展示。これまでの考え方では先が見通せない問題について、理想の未来から逆算することで展望する。10m以上の大きさの巨大なボードゲームだ。
監修者には多くの大学研究者が携わっているほか、開発スタッフとしてゲームデザイン/ディレクションにドロッセルマイヤーズの渡辺範明氏、イラストにオインクゲームズの平岡久典氏、プロジェクトマネジメントにアークライトの野澤邦仁氏が参加。ゲームデザインの手法で「思考法」という目に見えないものを展示する。
日本科学未来館では5月30日までデジタルゲームが実際遊べる特別展「GAME ON」展が行われている。ゲームマーケットの前後などにあわせてご覧になってみてはいかが。
日本科学未来館
ドロッセルマイヤーズ:【制作中!】日本科学未来館 常設展示『未来逆算思考』