プライバシー・ナンバーズ(Privacy Numbers)
だ、誰が?!
アミーゴ社(ドイツ)から発売されている大人向けコミュニケーションゲームのシリーズ第5作。きわどい質問はそのままで、イエス・ノーではなく数字で答えることからよりダイナミックな展開が楽しめる。
「1週間のデジタルゲーム時間」「お金を払ったのにキャンセルした旅行の回数」「過去一年間にホテルに宿泊した回数」「17歳以前に関係した人数」「この中で裸を見たい人の人数」などの質問が出るので、各自円盤でひそかに答えると共に、全体で合計いくつかを予想する。円盤は誰がどれを出したか分からないように混ぜて集計。正解の数字からカウントダウンしていき、上回らない範囲で近い順に得点が入る。
イエス・ノー式の『プライバシー』では、正解が1か(全員-1)の場合には回答者が特定される恐れがあるため発表しないというルールがあったが、このゲームではこの問題が解消されている。
質問はぬるいものから辛いものまでさまざま。お互い顔を見合わせて、「〇〇さんは0人でしょう」「□□さんは5人かな」「そんなわけないでしょ!」などと鎌をかけあうのも楽しい。中には妙にリアルな数字というものがあって肝が冷える。
Privacy Numbers
デザイン・R.シュタウペ/アートワーク・O.フロンデンライヒ
アミーゴ(2016年)
5~12人用/16歳以上/45分
山形・長井の木のおもちゃ屋「Kimi」
4月1日、山形県長井市に木のおもちゃ屋「Kimi」がオープンした。喫茶店の2階にあり、ボードゲームはハバ社などのキッズゲームとオインクゲームズのみを扱う。
管理人も住んでいる長井市は、人口が3万人に満たない小さな街である。この規模の街に木のおもちゃ屋ができることは珍しい。お店を開いたのは船山裕紀氏。フリーカメラマンで、毎年3000人が参加するフェス「ぼくらの文楽(ぶんがく)」の実行委員長を務める。第1回東北ボードゲームフリーマーケットは、このフェスの中で開催された。
お子さんが小さい頃から一緒にボードゲームを遊んだり、ネフ社の積み木を買い与えたりしていた船山氏が昨年、木のおもちゃ屋を開くという。SOHO的な仕事場と店舗を兼ねるというので、売り場はそれほど大きくないのかなと思っていたら、品揃えのよさと、陳列の美しさに驚いた。
ネフ社の積み木、ベック社のクーゲルバーン、セレクタ社の玩具、レオ・レオニの絵本、イタリアのけん玉、蜜蝋のクレヨン、アレルギー対応食品、オリジナルブレンドのコーヒー……と、いずれにもこだわりが感じられる。ボードゲームは、ハバ社とアミーゴ社、オインクゲームズしかないのも、アートワークのデザインを重視する船山氏のこだわりである。
1階のカフェ「山の下」は以前から営業していたが、このたび一緒にリニューアルした。地元の老舗「園カレー」のカレーライス、バゲットサンド、ピラフ、厚焼き釜ケーキなどがある。2階はバルコニーになっていてシームレスにつながっており、ボードゲームカフェとしても利用できる。アルバイトのタクヤ君が、1階と2階を行ったり来たりして手伝っていた。
開店初日、親子連れがひっきりなしに訪れ、お店を見終わってから1階のカフェで食事をしていく人も。お客さんが特に興味を示すのがボードゲームで、人数や年齢から船山氏がお薦めを提案する。早速『海底探険』『マスクメン』『ナインタイル』『スティッキー』が売り切れ。もともとオインクゲームズを知っている人も少なくなく、現在品薄の『インサイダーゲーム』は取り置き予約が結構入っていたという。
小さな地方都市で、ボードゲーム専門店やボードゲームカフェをやっていくのはまだまだ難しい。そのとき、本業のオフィスと兼ねたり、ボードゲーム以外の商品を扱ったり、別のお店とコラボしたりという柔軟な方法があることを、このお店は教えてくれる。なかんずく大切なのは店長の人脈であるということも、置ききれないほど並んだ開店祝いのお花が物語っていた。
おもちゃ屋 Kimi
山形県長井市栄町1-6 2F/TEL:0238-87-0666
山形鉄道・長井駅徒歩30秒
平日11:00~17:00、月・木・第1土休
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