ニット・ウィット(Knit Wit)
黄色くて、平面で、愉快なもの?
紐の輪にタグを付けて、重なるもの全てを満たすものを考えて発表するひらめきゲーム。『パンデミック』のデザイナー、M.リーコックがデザインした作品で、シンプルなルールで多人数で盛り上がれるパーティーゲームである。
まずは問題作成を全員で行う。糸巻を囲むように紐の輪を置き、囲んだ紐の輪に「生きている」「神秘的」などのワードタグをつける。複数の紐の輪の重なり合うところが糸巻が置かれると、論理学のベン図のように、その全てを満たすものを考えなくてはいけない。紐の輪が多い糸巻ほど問題は難しくなり、得点も上がる。
問題作成が終わったら、糸巻の番号を見て解答用紙に記入する。書き終わるか、難しい問題を書くのを諦めた人からボタンを取って抜け、4つのボタンが取られたら発表タイムとなる。ここからがゲームのメイン。
各自が何を書いたか発表し、異議がなければ得点。異議がある場合は「ニットウィット!」と言って、解答者の説明を受け、多数決で判定する。こうして全ての糸巻について全員が発表し、通った回答の得点と、ボタンのボーナス得点を合計して勝敗を競う。
紐の輪1本の問題なら余裕だと思うかもしれない。しかしここに「他の人とかぶったらアウト」というルールが効いてくる。典型的なものを外したつもりが、他の人も同じことを考えていたなんてこともしばしば。得点にはならないが、気が合う仲間が見つかるだろう。
8人で約30分。メンバーによって盛り上がり方が変わり、カジュアルプレイヤーであればうまいことを言って笑う大喜利ゲーム、フリークであれば遊びのないガチな心理ゲームになる。3本、4本と紐が増えるにつれてチャレンジングになっていくのが、やりがいがあって悩ましい。
冒頭のお題の答えは以下のようなものだった。「卵焼き」「なんで愉快なのか分からない、バツ」「アンパンマンのマント」「黄色じゃないでしょ、バツ」「折り紙」「なるほど!、マル」「黄ばんだ一反もめん」「(笑)、OK!」
Knit Wit
デザイン・M.リーコック/イラスト・P.グエリン
フィロソフィア(2016年)+ホビージャパン
2~8人用/8歳以上/15分
ドイツゲーム賞2017、投票始まる
ボードゲーム愛好者の投票で今年の一番人気を決めるドイツゲーム賞(Deutscher Spielepreis)の投票が、インターネット上で始まった。日本からでも誰でも投票できる。7月31日まで。
対象となるのはエッセン・シュピール2016からニュルンベルク玩具見本市2017までの時期にドイツ語圏で発表された新作。下記のページを開き、面白いと思う順に5タイトルまで(全て埋めなくてもよい)、タイトル(原題)とメーカー名、さらにキッズゲームも1タイトルを記入する。
下の段には個人情報を全て記入しなければならない。Vorname(名前)、Nachname(名字)、Straße(町名と番地)、PLZ(市町村名)、Ort(都道府県名)、Land(国名=Japan)、Telefon(電話番号=+81の後に0を除く市外局番から)、E-Mail-Adresse(メールアドレス)、E-Mail wiederholen(同じメールアドレスを再入力) 。入力が終わったら「absenden」のボタンで送信する。
受け付けられると、入力されたメールアドレスに確認のメールが届くので、そこに指定されたURLをクリックして投票完了となる。クリックしないと無効になるので注意。日本ではまだ一般発売されていない新作もあるので、締め切りまでたっぷり遊んでから投票してみよう。発表は9月にネット上にて、授賞式は10月のエッセン・シュピールにて行われる。
近年の受賞は『モンバサ』(2016)、『マルコポーロの旅路』(2015)、『ロシアンレールロード』(2014)、『テラミスティカ』(2013)、『村の人生』(2012)。ゲームをたくさん遊んでいるコアな愛好者が投票するだけに、遊びごたえのあるゲーマーズゲームが選ばれる傾向にある。
・Deutscher Spiele Preis:Abstimmung