最後の2択、どっちだ?
温泉旅館の殺人事件を推理するゲーム。東京・三鷹のボードゲーム専門店テンデイズゲームズがノルウェーのゲームデザイナーに委嘱して制作した作品で、イラストは『枯山水』のママダユースケ氏が担当し、タイトルは公募で選ばれた。
16枚のアリバイカードの中から、1枚だけ今回の事件のアリバイカードを抜いて、残りをプレイヤーに配る。1枚だけ抜かれたカードは何かを、自分の手札と、ほかのプレイヤーへの質問から割り出していくのがゲームの目的だ。
アリバイカードには犯行場所と時間が4つずつあり、それぞれに対応する容疑者が表で示されている。例えばお土産屋で午後3時だったならば、表を見て犯人は「赤木京子」となるわけだ。
場には聞き込みカードがあるので、手番にはそのどちらかを選んで、カードに対応する質問をほかのプレイヤーに行う。例えば「時間・2」という聞き込みカードだったら、誰かを指名して、「3時と6時のカードは何枚持っていますか?」と尋ねることができる。
聞かれたプレイヤーは手持ちのアリバイカードのうち何枚もっているかを答えるので、それを自分のシートにメモする。さらに2枚以上あれば1枚を見せなければならないので、だんだんと絞り込まれていくことになる。
聞き込みを受けたプレイヤーにはコインが入り、これを貯めると協力者の特殊能力を使うことができる。聞き込みに対し±1の範囲内で嘘をつける「小説家」など使えば、ほかのプレイヤーの推理を撹乱できるだろう。
犯人が分かったら、自分のシートに印をつけて、最初に抜かれたアリバイカードをこっそり見る。当たっていれば勝利、外れたら脱落。こうして当てるか、1人以外の全員が外れるまでゲームを続ける。
3人プレイで30分ぐらい。はじめにbashiさんが宣言したがハズレ。どうも私が使った「小説家」で混乱したようだ。そのうち私も2択まで絞り込んで、一か八かいくかと思っていたところで鴉さんが宣言。見事正解し勝利となった。
消去法の推理ゲームとしてS.サクソンの名作『スルース(1967年)』があるが、あちらは36枚から1枚を特定しなければならないので相当骨が折れるのに対し、こちらは16枚から1枚なのでかなり楽である。しかしその分、正解が分かるタイミングはプレイヤーによって差がないため、「協力者」カードの使い所が勝敗を分けるようだ。分かった!と思ってからではもう遅い。その少し前に先手を打って「協力者」をうまく使いたいところである。
4人の容疑者~湯けむりに消えた謎
デザイン・K.A.オストビー/イラスト・ママダユースケ/テンデイズゲームズ(2016年)
2~5人用/10歳以上/30~45分