今年もあと半月となったところで、今年の主なニュースをまとめました。当サイトでは、ニュースのない日にはボードゲームのレビューを入れることが多いのですが、毎日のように新作のリリースやイベント開催が相次ぎ、レビューを入れる暇がないほどだったどころか、1日に2回更新することも増えました。それだけ愛好者が増え、ボードゲーム界隈が盛り上がってきているということだと思います。
みなさんにとって今年はどのような1年でしたか? 十大ニュースへの感想だけでなく、個人的なニュースも、よろしければコメント欄にお書き下さい。
1.メビウス20周年でクニツィア初来日
水道橋のボードゲーム専門店「メビウスゲームズ」が創業20周年を記念して、ドイツ人の有名ボードゲームデザイナー、R.クニツィア氏を招いて講演会とパーティーを開いた。サイン会には大行列になり、講演会は参加者が抽選で絞られるほどの大人気ぶり。ここでクニツィア氏が持ち込んだ試作品から、オリジナル作品の『京都』がリリースされた。
2.テレビ、製品化、小説、映画・・・人狼ブーム到来
フジテレビで『人狼~嘘つきは誰だ?~』、TBSでも『ジンロリアン~人狼~』というテレビ番組が放映され、知名度急上昇。体験会やイベントが数多く開かれ、製品版として『会話型心理ゲーム 人狼(JIN-ROU)』(幻冬舎エデュケーション)、『人狼 ~嘘つきは誰だ?~カードバトル』(バンダイ)、『人狼ゲーム』(コザイク)、『タブラの人狼』日本語版(ホビージャパン)、『はじめての人狼』(アークライト)の5タイトル、書籍として『「人狼」カード&プレイブック』(富士見書房)、『人狼読本』(エンターブレイン)、『今夜はじめる人狼ゲーム』(スモール出版)、『決定版 人狼ゲームが100倍楽しめる本』(幻冬舎)の4タイトルが一般発売された。また、小説『人狼ゲーム』(竹書房)が桜庭ななみ氏の主演にて映画化までされるなど、マルチメディア展開も見られた。
3.ゲームマーケット、東京ビッグサイトへ。同人で活況
日本最大のボードゲームイベント「ゲームマーケット」が、長年会場にしてきた浅草から東京ビッグサイトに場所を移して開催された。昨年秋の参加者が4200人で、浅草会場では混乱したことによる措置。東京ビッグサイトでは4月も11月も約5000人の参加者を記録した。コミケの会場でもあることからか、同人作品の発表が増加し、4月には137タイトル、11月には199タイトルの新作が発売。限定品を求める愛好者で賑わった。来年は6月1日に行われる。
4.国際頭脳スポーツフェスティバル2013、縮小開催
将棋、チェス、オセロから『ラミィキューブ』、『ブロックス』、『カタンの開拓者たち』まで100種類以上のボードゲームを海外のプレイヤーとともにプレイするイベントが資金ショート。当初の予定だったパシフィコ横浜から、6会場での分散開催になったほか、女優の剛力彩芽氏ほか有名人の参加もキャンセルとなった。資金ショートの経緯については、運営を委託していた財団が契約を履行しなかったとされるが、まだ決着がついていない。
5.各地でフリマ開催、中古売買盛んに
遊ばなくなったり、収納できなくなったりしたボードゲームを持ち寄って売買・交換するフリーマーケットが盛んになっている。今年は2月に福井、5月と9月に大阪、6月に新潟、7月に東京で行われ、東京では来場者が1000人という大きなにぎわいを見せた。さらに来年1月には札幌と名古屋でも行われることが決定している。手軽に放出・安価に入手できるだけでなく、オークションやゲーム会などのイベントを加えて愛好者の交流の場となっていることが人気の理由のようだ。
6.月刊少年サンデーで『放課後さいころ倶楽部』連載開始
4月から『ゲッサン』にてボードゲームをテーマにしたコミックの連載『放課後さいころ倶楽部』(作・中道裕大)が始まり、9月には単行本にもなった。京都を舞台に、女子高校生がボードゲームを通して友情を深めていく物語で、ストーリーとボードゲームの紹介の絡め方が絶妙と愛好者にも好評。作者が関西出身ということで、大阪のボードゲーム専門店「キウイゲームズ」でトークライブも開かれた。
7.アークライトの名誉毀損訴訟、和解成立
アークライト社が昨年9月、ゲームデザイナーの池田康隆氏に対し、名誉棄損で500万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした事件が、10ヶ月の協議を経てようやく和解となった。池田氏がツイッター発言を訂正し謝罪すること、公告した後にツイッターアカウントを削除すること、500万円の損害賠償請求を取り下げることが和解内容。発言の原因になったあゆ屋の『シャドウハンターズ』無許可販売については、まだ解決を見ていない。
8.ドイツ年間ゲーム大賞に初の小箱ゲーム
ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)に、フランス人デザイナーA.ボザがデザインしたカードゲーム『花火』が選ばれた。カードゲームは先例があるが、小箱が選ばれるのは史上初めて。審査員は安価で、どこでも遊べるというメリットを強調している。日本では、日本語と韓国語の多言語版が発売中。
9.日本ボードゲーム大賞に『ラブレター』
NPOゆうもあが毎年開催している日本ボードゲーム大賞の愛好者による人気投票で、国産カードゲーム『ラブレター』(カナイ製作所)が1位に選ばれた。国産ゲームが選ばれるのは、現行の部門になってからは『キャット&チョコレート』以来2年ぶり2回目。また『ラブレター』は日本だけでなく、アメリカを経由してドイツにも紹介され、アラカルトカードゲーム賞で3位に入賞した。ドイツでは今秋、ペガサスシュピーレから一般発売になり、2014年度の注目の新作に数えられている。
10.ドイツゲームを無許可でiOSアプリ化
『ニムト』『ドメモ』『ゲシェンク』などの名作ゲームを無許可でiOSアプリ化し、別タイトルをつけて販売されていることが発覚し、作者のR.クニツィア氏が情報提供を求めた。作者はすぐに名乗り出て、権利関係を知らずに公開したこと、データを削除すること、これまで販売した利益は受け取らないことを伝えたため解決したが、ボードゲームの著作権はどこまで保護されるかという問題が改めて意識されることになった。ドイツではデザイナー連盟がボードゲームの著作権を求めるオンライン署名運動を展開している。
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