フォルトゥナ(Fortuna)

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すべての道はローマに通ず
野心あふれるローマ人農夫が、影響力を高めつつカエサルの宮殿をめざすゲーム。デザイナーは『大聖堂』『キューバ』のM.リーネックとS.シュタドラーで、メーカーはオランダのザ・ゲームマスター社。メーカーの要請によるものだろうか、『大聖堂』『キューバ』と比べると運の要素高め・時間短めでミドル級に作られている。




ローマに向かって各プレイヤーの道が伸びており一番乗りを目指して進む。誰かがカエサルの宮殿にたどり着いたときゲームが終わり、ボーナスを加えて進んだ数を競うが、ローマ市内に入っていない人は、いくらボーナスがあっても脱落となる。ローマの道を進むには農産物などを皇帝に献上しなければならない。
皇帝に献上する農産物などを手に入れるため、アクションを行う。その選択方法がユニークだ。アクションは、自分の前に並んだ3枚のアクションカードのいずれかを選ぶ。実行したアクションカードは、ほかの人の前にあるアクションカードと交換。こうして入れ替えた3枚が、次のラウンドの選択肢となる。次に自分が必要となるアクションを予想して選んでおかなくてはならない。
アクションは水・麦・ワインを作る、売る、軍隊や女官を増やす、建物を建てるなど12種類。1回目にお金を払えば2回目から収入をもたらす「結婚」、ローマの道を進んだ上でスタートプレイヤーと取れる「フォルトゥナ」が重要だ。
スタートプレイヤーがなぜ重要かというと、まずアクションカードの交換で、すでに選ばれたカードは取れないというのが一点。スタートプレイヤーならば、どのカードでも選べる。もう一点は、アクションの後に行われる皇帝への献上も先にできるということだ。
場には1〜6の寵愛カードが並んでおり、サイコロを振って出た目以下のカードを1枚選んで、そのカードに書かれたもの(水・麦・ワイン・軍隊など)献上することになる。すでに献上されたカードは使用不可。そして出た目で献上できないと税金を取られ、お金がないとローマの道を戻る羽目になる。スタートプレイヤーならば、出た目が悪くてもなんとか対応できるだろう。
ここに来てサイコロが用いられ、出目が悪いとひどい目にあうというのは、ストラテジーゲームでは珍しい作りだ。出目の悪さは、献上するものを各種取り揃えておくことや、手番順で先を取ることである程度回避できるものの、どうしようもないこともある。皇帝は気まぐれなのだ。
スタートプレイヤーは「フォルトゥナ」で取れるが、それ以降は所持金の順。結婚したり、軍隊や女官を揃えるのにお金がかかってカツカツなのに、使い過ぎると手番が下がって何も献上できなくなる。皇帝の気まぐれとはまた違ったシビアさがある。
エッセン国際ゲーム祭のフッフ&フレンズブースで4人プレイ。序盤から積極的に「フォルトゥナ」を取りに行ったふうかさんが着々と進むのを、建物を有効活用した神尾さんが追う展開。はじめは資源を蓄えてとか思っていたが、ふうかさんがどんどん進んでいくので、一か八かの献上を余儀なくされる。結局、karokuさんと私は市内に入れず脱落。神尾さんがトップで並んだがお金の差でふうかさんが勝利した。
効果は低いが着実な農産物と、効果は高いが一か八かの女官との間で、どれに注力するかで進め方がだいぶ変わるようだ。うまく噛み合ったアクション選択で運を引き寄せるゲームである。
Fortuna
M.リーネック、S.シュタドラー/ザ・ゲームマスター(2011年)
2〜4人用/10歳以上/60分
ショップ検索:フォルトゥナ

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