KADOKAWAは26日、アークライトの株式を取得して子会社化することに合意したことを発表した。同社のIP(知的財産)創出とメディアミックスの拡充を目指す。
KADOKAWAは出版業のほかに、映像、ゲーム、Webサービス、教育、IP体験施設の運営などを手掛ける総合エンターテインメント企業で、ニコニコ動画のドワンゴや専門学校のバンタンなどを子会社にもつ。2022年にアークライトと共同で「ダンジョン飯」のカードゲームを制作し、昨年にはアナログゲームブランド「カドアナ」を設立して「貞子」「スパイ教室」「おでかけ子ザメ」などのIPものを出版してきた。
発表では「アークライトをグループに迎えることで、KADOKAWAが保有する人気IPのメディアミックスのジャンル拡充、すなわちアナログゲーム商品化を加速させるとともに、アークライトが主催・運営する国内最大規模のアナログゲームイベントを通じて新たなゲーム開発者や作家を発掘することでIP創出点数のさらなる拡大を目指し、グループの成長を加速してまいります」として、キャラクターを使ったアナログゲームの開発を期待している。一方、アークライトの福本皇祐社長は「この業界の更なる飛躍のためには海外への進出、IPとの連動が必要だと考えてきました」といい、エッセン・シュピールへの出展などによる国産アナログゲームの海外展開も視野にいれる。
アークライトはTCG販売店「ホビーステーション」32店舗の運営、ゲームマーケットの主催・運営、TRPG、国産・海外日本語版ボードゲームの出版などを行っており、現時点ではすべて継続の方向。KADOKAWAの子会社化で今後、事業内容に正負どのような変化が起きるか注目される。