生産して運んで加工して
建物を線路でつないで物資を運び、勝利点に変換するピック&デリバリーゲーム。アークライトから一般発売された『リトルタウンビルダーズ』のStudio GGによるゲームマーケット2023春新作で、見た目からもう面白そうと評判になっていた。その実際はいかに?
各自、最初は木を生産する「森」と石を生産する「山」から始まる。毎ラウンド、生産施設に資源キューブが置かれ、資源を使って線路や建物を建設。生産施設と加工施設をつないで資源を輸送する。輸送すると別の資源や勝利点に変わる。4ラウンドで勝利点勝負。特別な処理もなく、直感的なゲーム進行である。
プレイしてみて気付くのは、豊富な建物による選択肢の多さである。毎ラウンド基本1人しか建てられない基本建物のほかに、2つの山から次々と出てくる特殊建物があり、効果も生産や加工を行うものだけでなく、即時やゲーム終了時もある。最初は生産できない麦、羊、炭をどうやって手に入れ、過不足なく(ここが難しい)活用して得点に結びつけていくには、どの建物を作ればよいのか。良い建物が自分の手番に出てくるかという運もあるが、計画性も求められる。
もうひとつプレイして気付くことは、4ラウンドという短さである。2ラウンド目の盤面は、これで半分とは信じられないほどしょぼく、建物同士が噛み合っていないことも多い。しかし建物が増えるにつれて稼働するようになり、最終ラウンドで一気に花開く。輸送を伴う短期的・長期的なリソースマネージメントが楽しい。
このように多様な建物と、一気に上がる成長曲線により、ほどよいプレイ時間で何度も遊びたくなる作品になっている。この作品もやがて国内外の出版社から一般発売されるのではないだろうか?
マイトロッコタウン
ゲームデザイン:Shun & AYA/イラスト:AYA
Studio GG(2023年)
1〜4人用/10歳以上/30~60分