矢野経済研究所は3月30日、日本国内のアナログゲーム市場調査結果を発表した。ポケモンカードゲーム人気により、2022年度のトレーディングカードゲーム(TCG)市場は1038億円を見込む一方、定番・クラシックゲーム、ユーロゲーム市場は前年度から微減となる見込みで、合計112億円はその10分の1程度になっている。
トレーディングカードゲーム市場は2020年度までの3年間、400億円台だったが2021年には792億円、2022年には1038億円(見込)と急増。これに対し定番・クラシックゲーム、ユーロゲーム市場の合計はコロナ禍の2020年に120億円とやや伸びたものの、100~110億円台とほぼ横ばいが続いている。
矢野経済研究所はトレーディングカードゲーム市場が前年比+59%と急拡大した主な理由として、ポケモンカードゲームのスタートデッキが500円(税抜)で購入できるようになったこと、ルール改定で新規ユーザーが参入しやすくなったこと、スマートフォンゲーム「ポケモンGO」の普及、YouTuber(ユーチューバー)を活用したプロモーション活動を挙げている。
一方のボードゲームは、コロナ禍のステイホーム需要による伸びは+17%にとどまり、その後は微減傾向となって差が開いたかたちだ。アークライト、幻冬舎、ジーピー、すごろくや、ピチカートデザイン、ホビージャパン、ホビーベースイエローサブマリンなどの調査に基づく「ユーロゲーム」市場も2020年の68億6千万円をピークに、2021年は67億4千万円(記事)、2022年(見込)は66億円と減少している。
日本語版ボードゲームのリリース数は2018年から4年間、200タイトル超を維持しているが(記事)、市場減少の原因としては、巣ごもり需要の消失による、マス・マーケット向けのボードゲームの売れ行きの鈍化や、資材・輸送費の高騰による価格上昇が考えられる。とはいえ、これまで乱高下してきたトレーディングカードゲーム市場と比べてボードゲーム市場は安定しており、今後の見通しは暗くないだろう。
・矢野経済研究所:【矢野経済研究所プレスリリース】アナログ(非電源系)ゲーム(ボードゲーム、カードゲーム分野)市場に関する調査を実施(2022年)