ある人のゴミは別の人の宝
ガラクタを集めてリサイクルするというテーマのトリックテイキングゲーム。ローゼンベルクがデザインし、『ボーナンザ』の翌年に発売された。もう23年も前の話である。『バーゲンハンター』というタイトルで2010年に1度リメイクされている。The Opinionated Gamersの昨年の記事で、BGGのユーザーに聞いたトリックテイキングゲームベスト10の中に、『ザ・クルー』に続いて2位につけたので久しぶりに遊ぶことにした。
記録では前回遊んだのが2003年だから、18年ぶりのプレイ。その間に数多くのトリックテイキングを遊んできたわけだが、トリックテイキングは遊べば遊ぶほど見えてくるものがある。
毎ラウンド、はじめに自分が集める数字を1つ決めておき、獲得トリックでその数字のカードは得点、それ以外は失点になる。色ではなくて数字というところがポイントで、どの数字を集めているかは公開されているので、4人で4枚のカードをプレイしたとき、自分の得点になるのは1枚あればいいほう、残り3枚は失点になってしまう。リードプレイヤーに近いほど失点になるカードを押し付けられやすく、弱いカードを出してトリックを回避する場面が多い。
トリックテイキングはマストフォローで、もっていない場合は別の色を切り札にできるルール。これによって低い数字のカードでも、切り札といえば容易に集めることができる。それでも自分が得点になるカードだけ獲得するのはまず無理だ。
それでは一切取らないほうがいいのかというと、そうともいえない。毎ラウンド、失点の山から数字をひとつ選んで、捨てたり、得点にしたりできるためである。失点の山は累積しているので、終盤まで待って一気に捨てれば高得点が狙える。しかし数字がばらばらでは、これでも赤字から脱出できない。できるだけ同じ数字を集めて、どの数字をどのラウンドで捨てるか計画を立てていかなければならない。
集めているカード以外の押し付け合いと、その裏でひそかに集めるリサイクル用カード。上家が何を集めているかを読んで、特定のカードが自分のところによく回ってくるようコントロールできれば、高得点が狙えるかもしれない。洗面器の水面下で、策略を練るのが楽しい。
Schnäppchen Jagd
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク/イラスト・R.ホルスト
クイーンゲームズ(1998)
3~4人用/10歳以上/45分