ジャストワン(Just One)

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鋭いヒント、笑えるヒント
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ヒントは「トロフィー」「ハス」「スーパー」「ケーキ」。分かりますか?
岡江久美子氏が新型コロナウィルスでお亡くなりになったとと聞いてすぐ思い出したのはNHK「連想ゲーム」である。男性チームと女性チームに分かれて、キャプテンがヒントを出して回答者が答える。加藤芳郎キャプテンのヒントにものすごい癖があったのが記憶に残っている。Youtubeで探してみたところ、あたかも台本があるかのようにテンポが早く、お題の難しさにも、キャプテンのすらすらと出てくるヒントにも、回答者のひらめきにも驚くばかりだった。
『ジャストワン』はみんながヒントを出すが、他とかぶるとキャンセルされてしまう連想ゲームだ。フランス人デザイナーコンビが制作し、ベルギーの出版社から発売され、昨年のドイツ年間ゲーム大賞に輝いた。「公衆の面前で遊べば見物人がすぐに引き込まれ、やがて一緒に遊びたくなるでしょう。実際、遊ぶためのハードルが誰でも越えられるくらい低いので、本当に遊ぶことになるでしょう」と選考委員会が評するのは、ゲームマーケットのメインストリーム(シンプル、コミュニケーション、プレイヤードリブン)とも一致する。
当てる人以外がお題カードを見て、今回のお題を確認し、ヒントを消せるペンで書く。書き終わったらお互い確認してかぶったものを除外。残りを当てる人に見せて、当たれば得点になる。これを何ラウンドか繰り返して合計得点が成績になる。成績評価はあるが、『ザ・マインド』のように勝敗がはっきりしたものではなく、1回1回の面白いヒント、ナイスヒントを楽しむゲームと言える。
もともとそうなのか、ローカライズの難しさもあるか、プレイヤーによって変わるのか分からないが、たまにえらく難しいお題がある。回答は1回しかできず、間違うと減点になってしまうため、分からないときはスキップできるものの、回答者にはプレッシャーになるときがある(『ディクシット』、『コードネーム』、『デクリプト』のヒントでも起こる現象である)。ルールにはないが、時間制限を設けて、回答できなければスキップにするのも良いかもしれない。
それとゲームが進むにつれて、ヒントの分担(直球のヒント、ひねったヒント、言葉選び)が起こることがあるので、プレイヤーにはそういう勝ちに走ったプレイではなく、毎回変わった趣向でヒントを出すように心がけたほうが楽しめそうだ。初心者は純粋に楽しめると思うが、ゲーマーは逆に余計なことをいろいろと考えてしまわないように気をつけたほうがよい。
Just One
ゲームデザイン・L.ルーディ&B.ソテール
アートワーク・E.アザグリ&F.プーレ
ルポ・プロドゥクシオン(ベルギー、2019年)+アークライト(2020年)
3~7人用/8歳以上/20分

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