冒険者を1箇所に集めて発掘
ピラミッドを探索して一番奥の王室を目指すボードゲーム。『アズール』『ザ・マインド』と並んで今年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。デザイナーのR.ドーンは『ベガス』『カルバ』など定期的に作品がノミネートされ続けている息の長いデザイナーだ。
ドーンといえばまとまった自分のコマを1個ずつ分散しながら移動するドーン歩きだが、このゲームでは逆。あちこちに分散している自分のコマを、うまくひとつのマスに集めて宝を発掘する。
スタートにいる探検家コマは2個。自分の番には、手札5枚のうち一番右か、一番左をプレイして、その数だけいずれかのコマを進め、残った手札の真ん中に補充する。カードの順番を変えてはいけない。『イアルへの道(梟老堂、2017)』でも用いられた手札処理で、選択肢を減らしてゲームのテンポを上げると共に、次の手番の行動まで見るようになる。
マスにはタイルが敷かれており、ゲームごとにマップが少しずつ変わる。特殊なカードを補充したり、最後の部屋に入るための鍵や、何点になるかは引いてのお楽しみスカラベを手に入れたりするタイルがあるが、一番多いのはお宝。1枚1枚が得点になるだけでなく、ゲーム終了時には壺・彫像・宝石飾りの3枚1セットがどれくらいできたかによってボーナスがはいる主要な得点源である。
このお宝は、発掘するのに必要なコマの数が示されており、その数のコマをそのタイルがあるマスに集めてこなければならない。しかもそのタイルは早いもの勝ち。必要なコマが2個のお宝に、各プレイヤーが1個ずつ置いたら、もう1個移動させてお宝を取るのは誰か、緊張が高まる。
同じマスにいくつかのコマを集めるには、手札を見た計画性が必要だが、先を越されると計画が狂ったり、逆に棚ぼたでチャンスが回ってきたりするところも面白い。ゲーム終了時には、コマの位置が王室に近いほど得点が高く、またほかのプレイヤーとの競合を少なくするためにどんどん奥へと進むことがポイントだ。途中にある自分のコマは、そのマスを通過すると解放して仲間にすることができる。
4人プレイで45分。少し後れていたがワープマスが登場してから先頭集団に進むことができ、宝物を順調に集めることができた。ゴールには1番にたどり着けなかったものの宝物のセットで1位。ゲーム内容に比してプレイ時間がやや長めに感じたが、いろいろな要素があるにしてはルール説明もほとんどいらず(カードを出して、自分のコマをどれか1つ進めて、止まったマスの指示に従って、補充するだけ)、安心して遊べるすごろくゲームである。
Luxor
ゲームデザイン・R.ドーン/イラスト・D.ローハンゼン
クイーンゲームズ(2018年)
2~4人用/8歳以上/45分