ラスボスも線を引いて倒す
TVゲームのステージのように仕立てたボードに、障害物にぶつからないように感覚と勘でうまく線を引いていくフランスのゲーム。『ディクシット』の出版社で制作され、日本語を含む多言語版が発売されており、18日に発表されたドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに入っている。お絵描きの才能も必要とせず、直感的なルールで子どもも楽しめる。
中央の箱に今回選んだワールドのレベル(ステージ)シートが置かれる。このシートで、どこからどこまで線でつなぐか(点を打つステージも)、その線がどこを通れば得点で、どこにぶつかったら失点かが分かる。各自透明のスクリーンを手元に置き、シートを見ながら制限時間の30秒で線を引く。シートからは離れているので、だいたいの目分量で。「真ん中あたりまで行って、横に4分の1ぐらい、それから45度曲がって……おっ、もう制限時間だ!」
時間が来たら順番に、スクリーンをシートの上に重ね合わせる……結構ずれているものである。「全然当たってねぇ~、0点!」得点をつけたら次のレベルへ。こうして最終ステージでラスボスを倒してワールドをクリアしたら、得点の合計を競う。
シートには、雷マークと爆弾マークがあり、ここを線が通るとチップを受け取る。雷チップはほかの人に押し付けるお邪魔チップ、爆弾チップは自分が引き受けるお邪魔チップ。これによってて、利き腕と反対で描いたり、ペンの上にチップを載せて落とさないように描いたりしなければいけなくなり、難易度が上がる。何枚もあれば効果が累積するので、トップに押し付けて得点できなくしてしまおう。
1ゲーム30分くらい。子どもと遊んでも、大人と遊んでも楽しい。ファミコン世代直撃のテーマで、氷の世界、砂漠の世界などワールドがいくつもあるので何度も遊びたくなる。何度プレイしてもなかなか思い通りには線が引けないが、たまに狭いところをうまく通れるとすごく嬉しい。スペースぴったりになるように目分量でレイアウトして字を書かなければいけない仕事があって、このゲームで身につけたスキルを生かしている。
Loony Quest
L.エスコフィア、D.フランク/リベル(2015年)
2~5人用/8歳以上/20分