神が落ちてきた
ドイツの出版社がキックスターターで製品化しようとしている日本テーマの重量級ボードゲーム。目標を大きく上回る68000ユーロ(900万円)を集めて年内に製品化されることが決定している。デザイナーはドイツのコミック界ではよく知られた人物で、日本神話をモチーフとした背景ストーリーや、ボードゲームとリンクしたコミックもある。
ツクヨミといえば記紀神話で月の神様であるが、このゲームでは地球を支配するために月とともに落ちてきた邪神となっている。月が落ちたために海が蒸発した地球で、鬼を従えて暴れまわる。プレイヤーはさまざまな勢力を担当して支配を争う。
荒廃した地球で生き残った勢力はアメリカ兵、騎士、サムライマシン、イノシシ、昆虫の5つ。勢力ごとに部隊の強さや数が異なるが、強い部隊は数が少なく、数が多い部隊はひとつひとつ弱いというかたちでバランスを取っている(右写真はエッセン・シュピール会場内、サムライマシンのコスプレ)。
ゲームはアクションカードのドラフトとプレイで進行し、部隊の増強や移動、戦闘を行う。戦闘もダイスではなくカードで行い、運の要素はないがカードに選択肢があって駆け引きがある。さらにイベントカードで自分に有利な環境を作ったり、ミッションカードで条件を達成したりする。自分が支配した土地の広さなどに応じて入る得点で勝敗を競う。
日本神話、SF、世紀末、スチームパンクなどが入り交じった独特な世界観だけでなく、システム的にも見どころが多い。言語依存が高いが、日本でも遊ばれてほしいと思う。キックスターターでは拡張の4勢力、2人用バリアントなどがアドオンで提供されている。
Kickstarter: TSUKUYUMI – FULL MOON DOWN – asymmetric strategy game
Tsukuyumi: Full Moon Down
F.メルティカット/キングラクーンゲームズ(2017年予定)
3~5人用/14歳以上/90~240分