アグリコラ:ファミリーバージョン(Agricola: Familienspiel)

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ゲーマーも満足できるクオリティ
アグリコラ:ファミリーバーション
ラウンドが進むにつれてできるアクションが増える仕組みをラウンドマーカーで表している
17世紀ヨーロッパを舞台に農業を営むボードゲームのライト版。ゲームの進行も得点計算も簡素化し、12歳以上だった対象年齢を8歳まで下げた。テキストのあるカードがない分、盤面のワーカープレイスメントに集中できる。
はじめ、自分の家族は2人しかいない。これを順番に1人ずつゲームボードの各スペースに置いて、木材やレンガなどの資材を集め、農場を大きくしていく。畑を作って麦を植えたり、牧場を作って動物を飼ったり、施設を作って食料や得点を稼いだりと、するべきことは多い。やがて部屋を増築し、子どもを作ることで、できることも増えていく。
ほかのプレイヤーがどこに重点を置いているかを見極め、人気が高そうなスペースは優先して取らなければいけない。みんなの情報が全てオープンになっているため考えるところが多く、今回は90分くらいのプレイ時間を要した。
私はスタートプレイヤーでかまどを作り、当面の食料を確保したので、耕作に取り組んだ。耕作は畑タイルを取り、麦を取り、麦を畑に植えるという3ステップが必要で、時間がかかる。しかしその分、ほかのプレイヤーがあまり手を出さないので、着実に麦を増やしていける。麦2つで1点になる施設も手に入れ、盤石であるかに見えた。
アグリコラ:ファミリーバージョン(マイボード)
自由度が高くなった(というか制約が全くなくなった)個人ボード。箱庭感は失われていない
しかし部屋の増築と子作りに手が回らず、終盤まで家族は3人だけ。その間、早めに子どもを増やしたtomokさんと鴉さんが資材を取りまくり、得点を伸ばして1位、2位。部屋のない子どもが手に入るのは終盤なので、2部屋増築して2人子どもを増やしておけるかが勝敗を分けた。
プレイ時間はほとんど短縮されないが遊びごたえは十分。家族に食べさせる食料を調達するのは相変わらず苦しいが、ボードではなくタイルをつなぐようになった農場の自由度も高く、のびのびとプレイすることができたと思う。職業カードと小さな進歩カードによる展開の多様性が『アグリコラ』の醍醐味だという意見もあるだろうが、ひりひりとしたワーカープレイスメントの駆け引きに集中したいならこれもアリだ(いやいや本当はファミリーで、ゆるく遊ぶ用に作られているのだろうが)。
Agricola: Familienspiel
デザイン・U.ローゼンベルク
アートワーク・K.フランツ
ルックアウトゲームズ(2016)
1~4人用/8歳以上/45分

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