24日から3日間にわたってパシフィコ横浜で開催されているCEDEC(コンピューターエンターテイメントデベロッパーズカンファレンス)2016内のセッション「アナログゲームが熱いって本当?~メカニクスデザインの最前線~」にて、2015年の国内ボードゲーム市場が30~40億円と推定する発表があった。デジタルゲーム市場と比べると0.3%だが、成長が著しいという。
現在約1000種類が一般流通し、年間300種類が追加されている。その8割ほどが海外製で、そのうち日本語版が5割近く。国産は2割程度だが急激に増えているという。
またすごろくや調べによると、国内市場(ホビージャパン、メビウスゲームズ、アークライト)の売上比率推移は、2009年を1とした場合、2010年にいきなり2.2となり、2011年は2.3、2012年は1.7と下がったものの、2013年に2.6に盛り返し、2014年に3.8、そして2015年には4.5に。2009年は『ドミニオン』が発売された年で決して少ない売り上げではなかったと思われるが、ここ3年は急激な成長を遂げている状況が浮き彫りになった。
続いて発表したドロッセルマイヤーズの渡辺氏が提示した「ゲームマーケット参加者数および出展ブース数」もこの急成長に呼応しており、アナログゲームというジャンルの盛り上がりを印象付けた。渡辺氏はこの背景を、「デジタルゲームによるゲーム文化の浸透」「巨大な同人誌市場」「抽象化と見立ての文化」という3つのキーワードで分析している。
日本玩具協会の調査では2015年の「一般ゲーム、パズル、その他」の市場規模は151億円と推定されているため、今回発表された30~40億円という数字には『人生ゲーム』や『野球盤』などの大手メーカー商品(および963億円と推定されているTCG)が含まれていないものとみられる。すなわち、輸入・国産非大手ボードゲームの規模は、大手ボードゲームの4分の1から5分の1に過ぎないことになる。
しかし今後もこのジャンルの成長が続けば、かつてバンダイが『チケットトゥライド』を取り扱ったように、大手メーカーが傑作を次々と取り上げるようになってくるかもしれない。国内の市場規模が明らかになったことで、今後の新しい可能性が開かれたのではないだろうか。
・ファミ通.com:アナログゲームは実際アツい! 識者が語る国内アナログゲーム市場の現況とゲームメカニクス【CEDEC 2016】