切り札か大失点かの瀬戸際
緊急性の高い始末書を早く提出して、優秀な管理職になることを目指すカードゲーム。ゲームマーケット2016春に発売された。
全員に10枚ずつ配られる手札は始末書カードで、1~12の緊急度がある。はじめに2枚を選んでそれぞれ右隣の人に渡す「PDCA(パッと見でダメそうなカードをあげる)サイクル」フェイズ。再びカードが10枚になったら提出フェイズを始める。
スタートプレイヤーから順番に1周、カードを出す。その際のルールは「緊急度が前の人以上か、手札の中で緊急度が最も低いカード」である。一番緊急度が大きかった人(緊急度が同じ場合は後に出した方)から、次の1周を行う。こうして最後に残った1枚の緊急度が最も大きい人が、このラウンドの敗者である。
もうお気付きになった方もいるかもしれないが、ここまでは『5本のキュウリ』と変わらない。しかしこのゲームの特徴は、複数枚出しができるという点になる。このおかげでゲームの進行が非常にスピーディになる。
同じ数字ならば、何枚でも一気に出してよい。後の人は、同じ枚数で数字がそれ以上のカードを出すか、手札の中で緊急度が低い順に同じ枚数を出さなければならない。ここで先の「PDCAサイクル」フェイズが効いてくる。ほかのプレイヤーが寄越しそうなカードをうまく読めれば、数字を揃えて一気にゲームを終わらせることが可能だ。
ラウンドの敗者はカードを受け取り、次のラウンドへ。同じ数字のカードが2枚になると失点になり、規定点を超えたところで失点の少ない人が勝つ。
3人プレイで15分ほど。1ラウンドは1分かからないこともあり、「よし次!」とやめられなくなる魅力があった。数字の高いカードはリードプレイヤーを取るのに、数字の低いカードはヒットポイントとして、どちらでもないカードは揃えて出すというように、数値に応じて役割が変わるところが面白い。
どっちの始末Show
デザイン・円卓P/イラスト・鍋野たま/グラフィックデザイン・長谷川登鯉/数寄ゲームズ(2016年)
3~5人用/10歳以上/20分