タイルの指示に翻弄
ファンタジーワールドの地下空洞を舞台にしたすごろくゲーム。シンプルで先の読めないドタバタな作品である。
手番には2個のダイスをタワーに入れて振り、その合計だけ自分のコマを進める。そして止まったマスが空いていたら手持ちのタイルを置き、その指示に従う。たいていは「○マス戻る(進む)」なので、さらに移動して、そこにまたタイルがあれば指示に従う。あっちに行ったり、こっちに来たり。
最終的な目標は「経験点」である。これは止まったマスで入ることもあるが、多くは最初のダイスで入ってくる。2個のダイスが、もう1個振る黒いダイス(ターゲットダイス)と同じ出目だったら1点もらえるのである。
「経験点」は、最高で10点。それ以上増えると0点に戻ってしまうので注意が必要だ。逆に、0点から1点減るといきなり10点になる! 地道に増やしていくよりも手っ取り早いので、点数を増やさないようにして減らす方向を目指す。そのため、コースの途中に「イニシエーション」というマスがあって、ここに止まるとコマが上下裏返り、得点と減点が逆になるのを利用できる。
そのほかに白いダイスを4つ振ってポーカーの役に挑戦できる「ピットイン&アウト」、コースを1周してスタートマスに先に着くプレイヤーを予想する「ゴッズベット」というマスがあり、ここでも「経験点」が入る。上記のような事情から、入らないようにするという選択もあり得る。
ゲームは規定ラウンドで終了。シナリオが付いていて、使うタイルが変わったり、闘技場でモンスターとダイス対決するものもある。
4人プレイで40分ほど。タイルが並ぶに連れて、いくつかのマスでどこに止まっても同じところにたどり着くという現象が起こる。「また同じマスだよ!」carlさんがこのループから抜け出せなくて笑う。というのも、勝負のポイントとなる「ピットイン&アウト」がその先にあったからである。私が先に入って、経験点を10点にすることに成功。しかし鴉さんも最終手番で10点にしてきて逆転された。序盤にイニシエーションを受けたtomokさんは、思った以上に得点が減ってしまっていた。
タイルが「12戻る」とか「8進む」とかやたらダイナミック。その翻弄されっぷりに笑いが止まらないドタバタゲームである。
Cocoon World: The Board Game
安田均/グループSNE(2015年)
2-5人用/8歳以上/30-60分