ボードゲームを知らない人に紹介するとき、「世界中で年間○○タイトルの新作が発売されている」という話になることがある。500タイトルとか、800タイトルとかいわれているが、実際のところはどうなのか、調べてみた。
資料はドイツのボードゲームサイトspielboxの新作リスト(Tabelle der Neuheiten)。ここではエッセン・シュピールとニュルンベルク・国際玩具見本市で発表される新作を一覧にしてまとめている。このリストに掲載されるのは、両方のメッセに出展された新作なので、世界各国のローカルな新作は含まれない。この数は国際市場に出た新作ということになる。
年はドイツ年度に従い、前年のエッセン・シュピールと、当年のニュルンベルク・国際玩具見本市で1年としている。今年のニュルンベルク・国際玩具見本市はもう終了しているので、昨年のエッセン・シュピールと合わせて、2014年度の数もすでに判明していることになる。
この結果をグラフにすると以下のようになる。2014年度は初めて、1000タイトルを超えた。「世界では1年に1000タイトル以上の新作が発売されている」といってよいわけである。またこの7年間、700タイトルから800、そして900タイトルと、増加傾向にあることが分かる。
内訳を見ると、ニュルンベルク・国際玩具見本市の新作は200タイトル強でほとんど変化がないが、エッセン・シュピールの新作が大幅に伸びている。ドイツ以外の参加国数が増加していることから(2013年は39カ国)、各国でボードゲームが盛り上がり、ドイツに持ち込まれる数が増加していると見られる。ドイツ出版社の影が相対的に弱まるのも致し方ないことだろう。
全部購入するならば、1つ2500円くらいだとして275万円。全部遊ぶならば、3タイトルずつ毎日遊ばなければいけないペースである。そこまでいかなくとも、同じものを繰り返し遊ぶ余裕がなくなる理由が分かるだろう。また粗製乱造の傾向もあるので、より吟味して購入する作品を選びたい。