フィルムフィクサー(Film Fixer)

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あえて予想をはずしに行く

日本ボードゲーム大賞を受賞した人気コミュニケーションゲーム『キャット&チョコレート』の作者・秋口ぎぐる氏が3年ぶりに発表した新作カードゲーム。心理戦に加え、資金を得点に変換するドミニオン的な仕組みが取り入れられていて新しい。

プレイヤーは映画のプロデューサーとして、話題作を作り名声を競う。手番には、映画の企画や俳優・女優の場札5枚から好きなものを購入し、映画の企画に手持ちの俳優・女優を出演させて映画を作る。作った映画は得点になるだけでなく、俳優・女優に応じて収入をもたらす。

ここまではオーソドックスなつくりであるが、手番のはじめに、ほかのプレイヤーが行動を予想してお金を賭けるというフェイズが熱い駆け引きを生む。この手番、俳優を雇うかどうか、そして2つある配給会社(アート系、エンタメ系)のどちらの企画を買うかを予想してお金をビッド。

当たれば、そのお金を1段階高いものに交換するか、得点に変換できる。序盤から得点にしてしまうと資金が足りない。かといって終盤までお金をもっていると得点に変換できないまま終わる恐れがある。どのタイミングでお金から得点に移るか、悩みどころである。

さて手番プレイヤーはビッド内容を知らされないが、ビッド額は知らされる。大金を賭けてきた場合、わざと何もしないで予想を外せば相手に大損害を与えられるだろう。どれくらい賭けると予想を裏切るかが駆け引きである。

サガエさんが、新人とティーンエイジャーの女優をさっそくポルノ映画に出演させて荒稼ぎ。ポルノ映画は収入が高いが名声は落ちる。しかし潤沢な資金を、ビッドで当てて得点に変換し名声を回復。アート系の硬い映画を作っていたくさのまさんと僅差で逃げ切った。私は最初に大枚をはたいてブラッド・ピットを雇ったが、ビッドを外しまくりで資金がショート。新人しか出てこないしょぼい映画ばかりで最下位。くさのまさんが映画好きだったので、俳優カードを解説してもらえたのがよかった。

Film Fixer
秋口ぎぐる/コザイク(2013年)
3~4人用/10歳以上/30分

フィルムフィクサー

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