覚えきれない迷宮
鏡を差し込んで、お目当ての宝物を探す記憶と思考のゲーム。今年のドイツキッズゲーム賞に選ばれた。
ドイツキッズゲーム賞は、ドイツゲーム賞の投票のついでに1タイトルだけ、好きなキッズゲームを投票して決められる人気投票である。投票をしている人の大半が大人、しかもゲーマーだけあって、子ども向けではなく大人でも遊べる子供ゲームという傾向が強い。過去5年間の受賞作は『誰だったでしょう?』『チーズのお城』『魔法使いの夜』『アカバ』『墓場の吸血鬼』。ドイツ年間キッズゲーム大賞と比べると、一般の子ども向けではないことが明らかだろう。
さてこのゲームは、ダイスを振ってコマを進めると、止まったマスに探すべきアイテムが指示される。ボードのわきに窓があって、そこから覗いたときに、お目当てのアイテムが見えるように鏡を配置する。鏡は3枚あって、大人ならば造作もなく配置できるだろう。ただし、そのアイテムがどこにあるか分かっていればの話。
アイテムの数は11。一応はじめに、どこに何があるか確認しながら差し込んでいくのだが、もう覚えていられない。1つか2つ確実に覚えておき、そのアイテムが指定されるのを待つぐらいか。覗くたびにどこに何があるか少しずつ分かってくるが、それより早く忘れてしまってはどうしようもない。
ほかのプレイヤーは何をしているかというと、正解か不正解かをカードで賭ける。実際ほとんど当たらないので、不正解に賭けたほうがお得になっており、探す前に皆から口々に「ハズれろ!」なんて言われる。たくましく生きよう。
karokuさんが冷静な不正解ビッドと、高い正解率(ちょっと前に止まったアイテムにまた止まったという)で1位。やはり子供ゲームではなかった。
Burg der 1000 Spiegel
M.ブラント、I.ブラント/コスモス(2009)
2〜4人用/6歳以上/30〜45分