溶けていく足場
氷をわたって中央の島からコンテナを持ち帰るゲーム。第1回のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。すでに30年近く前のゲームだが、今遊んでも決して古びていない。
ゲームは湖に氷が張る冬から始まる。カードで指示された氷を、好きなところに並べて中央の島への道を作る。氷が敷き詰められると、春になり、今度はカードで指示された氷を取り除いていく。もちろんお互いに一番大事な氷から取り除いていくから、氷の置き方をよく考えて複数のルートを確保しておかないと苦労するだろう。特に、となりの人のルートに便乗しておくのは有効だ。
進むのはイベントカードを使わない限り、毎手番3歩と決められている。氷は3マスでも2マスでも1歩と数えるので、大きい氷を並べておけば移動も早い。だがその分、春になって氷が取り除かれたときにどうしようもなくなるリスクが上がる。普通のすごろくでは進む数を同じにしてしまえば展開の多様性が望めないが、進む場所の状況を変えることによって多様にしているわけである。このバランスがうまい。
写真では氷の上にコンテナを載せているが、これは氷を置いたタイルの除去が後回しになるためである。こうしてルートを確保しておく。だが、イベントカードの「泥棒」というのを出されると、ほかの人にコンテナを持っていかれることもあるので注意が必要だ。対抗するイベントカード「霧」を用意しておいたほうがよい。
それからイベントカードは、進入禁止にする「シロクマの移動」と、どこへでもワープできる「ヘリコプター」、手番が強制終了になる「凍傷」、コンテナをいきなり持ち帰れる「コンテナ発見」がある。「コンテナ発見」は濡れ手で粟のラッキーカードで、これをたくさん引いて1位だった私と、反対に「凍傷」ばかりで手が進められなかったタナカマさんの明暗が分かれた。
Alaska
E.ソロモン / ラベンスバーガー, 1979