なかなか手強い物語
犯罪、死体、殺人、自殺の事件の真相を、質問を通して推理していくドイツのカードゲーム。1枚1枚、表に事件、裏にその真相が書いてある。ひとりが「リドルマスター」となり、表に書いてある謎の事件を紹介。ほかのプレイヤーは、「はい」か「いいえ」で答えられる質問を繰り返し、思いついたら真相の予想を述べ、当たったら勝利する。
今回の第一問は「新しい日の夜明け」。ある美しい朝、女は目を覚ました。窓の外をひと目見て、彼女は自殺したという。リドルマスターは私が担当した。
「外の風景は自殺と関係ありますか」「はい」「自宅ですか」「分かりません」・・・なかなか絞り込めない様子である。そこでヒントを出した。「宗教関係です」そこからひらめきが進み、bashiさんが正解。正解が気になる方は、製品をお買い求め下さい(笑)。
続いてbashiさんがリドルマスターとなって第二問「名物料理のレストラン」。少女は名物料理のレストランでイグアナのステーキを注文した。一口食べた途端に店から飛び出し、大型トラックの前へ身を投げ出した。bashiさんによると一部で有名な「ウミガメのスープ」と同じ話だというが、回答者は知らなかった。「宗教関係ですか」「いいえ」「人肉食と関係がありますか」「はい、いい質問です!」そこからBumiさんがうまくまとめて正解した。正解が気になる方は(略)。
事件を読んだときの、全く見当もつかない感じはものすごい。しかしこのゲームが『ブラックストーリーズ』というタイトルであるところがちょっとヒントで、ホラーや宗教の線で絞り込んでいくといいようだ。ある程度状況が飲み込めたところで、正解にたどり着くのがまた難儀。その最後のひとひねりが見事ひらめいたときは嬉しい。
どんな質問をしたらよいか見当もつかず、お地蔵さんになってしまう人もいた。でも考えても始まらないので、どんどん質問をして、ほかの人の質問に便乗していく。数撃ちゃ当たるで、手応えがあったらそこを深めていく。そんなブレインストーミングのような会話がこのゲームの楽しみ方ではないかと思う。
Black Stories: 50 rabenschwarze Rätsel
H.ベーシュ/モーゼス出版(2004年)・コザイク(日本語版、2014年)
2~15人用/12歳以上/20分